2016年09月16日(金) 18:00
◆もしアドバイスを送るなら“運動場を造った方がいい”
日本馬が大活躍した韓国のコリアカップ&スプリント(11日)の結果を受け、栗東トレセンでは「ウチの馬もぜひ使いたい」というキュウ舎が激増している。クリソライトとクリノスターオーで後続をぶっちぎったコリアカップ、グレープブランデーとミリオンヴォルツが3、5着と健闘したコリアスプリントのレースぶりを見れば、そういった声が出てくるのも当然か。この両韓国GIは賞金が高いうえに、招待レースのため経費も安く済むのだから、まさにおいしいレースなのだ。
「まあ、使いたいと言っても、招待されないと使えないわけだから。ウチのがこっち(国内)でクリノスターオーとレースをすれば、あそこまで着差(6馬身)が開くことはないし、あっちの競馬場が合っていたとも言えるのかな」とはクリソライトの圧勝を振り返る音無調教師の弁だ。
「向こうはキュウ舎の周りがコンクリートで運動ができない」という噂を聞いていた指揮官。実際、現地に行ってみたら、その通りだったという。
「もし僕が韓国の主催者にアドバイスを送るなら“運動場を造った方がいい”。あれでは前運動と後運動が満足にできないからね。馬房を出たらすぐコースで、調教をしたらすぐ戻る…昔の日本みたいな感じ。日本も運動時間を長く取ることをヨーロッパから学んで、これだけ強くなってきたんだから」
一方で日本にはない、韓国競馬の良さもあったようで、「検量、装鞍、パドックの3つの場所が近いから馬場入りまではスムーズ。ゲートボーイもいたんで、あのあたりも日本よりは進んでいると言えるよね」。
「来年もクリソライトで遠征したい」と音無調教師が早くも口にしているように、日本馬の遠征が当たり前になりそうなこの韓国GI。年を重ねるごとに日本馬が強くなっていったジャパンC同様、今後は韓国馬が地力をつけて、日本馬にはおいしくないレースへと変わっていくのか。なかなか興味深い。(栗東の坂路野郎・高岡功)
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