【美浦所属】

嶋田純次騎手

◆パラリンピックに同期で応援に行きたい

　大怪我をして騎手を引退しましたけど、乗馬をしている動画を見ると、僕じゃ到底できないということもやっていて驚きました。4年後、東京で行われるパラリンピックに出場できたら、僕たち同期で応援に行きたいですね。土日は競馬なので、平日で行けそうな日に競技があれば、是非応援に駆け付けたいです。

　高嶋が活躍することで僕も刺激を受けますね。競馬学校からずっと一緒にやってきた仲間ですし、お互いに切磋琢磨しながら、頑張っていければと思います。パラリンピック出場目指して、頑張ってください！

杉原誠人騎手

◆カッコいいパパであってほしいです

　11月3日のサンクスホースデイズで、馬場馬術の演技を実際に見ました。カッコ良くて。すごいなと思いました。右半身の麻痺も全く感じさせなかったです。元々、運動神経は良かったですし、体幹がしっかりしているんだなと思いました。

　まずは怪我なく無事に、そして目標に向かって結果を残していってほしいですね。同期として応援してますし、活士の刺激を受けて僕らも頑張ります。それに結婚して子供も生まれましたし、子供のためにも、奥さんのためにも、カッコいいパパであってほしいです。応援してます！

横山和生騎手

◆競馬学校時代からストイックな男でした

　競馬学校時代から暇があれば筋トレしているという感じで、ストイックな男でした。高嶋の人間性は見習いたいですし、あれくらい僕もストイックにならなきゃなと思っています。あれだけの大怪我をしながらパラリンピックを目指してこれだけ活躍しているというのは、やはり活士の努力が大きいと思います。

　杉原が撮ってきた動画を見せてもらいましたが、ハンデがあっても、すごく上手でした。先輩の結婚式などで何回か会ったんですけど、まだ右半身が動きづらいと言っていましたし、スプーンやフォークも左手で持っていて、その状態を知っているからこそ、ここまで乗れるんだということにとても驚きました。乗っている姿は全くハンデを感じなかったですし、カッコ良かったですね。いつかタイミングが合えば、応援に行きたいなと思っています。

　馬術と競馬で道は分かれましたが、同じ馬の道ですし、今も同期には変わりないので、同期みんなで頑張っていきたいですね。

(取材：佐々木祥恵)

【栗東所属】

花田大昂元騎手(現・吉田直弘厩舎調教助手)

◆騎手としての夢は叶わなかった僕たちだけど

　2013年、僕が騎手としてあがいていた時、きっかけを掴みたくて美浦に短期留学したことがありました。調整ルームでトレーニングをしていたら、高嶋も落馬事故からの復帰を目指してトレーニングをしていました。人のことを言える立場ではなかったけど、競馬に乗りたくても乗れない彼を見ると、自分は騎手として戦う土俵に立てているのだから頑張らなきゃ、と思いましたね。

　高嶋が復帰できなくても馬を諦めなかったのは、やっぱり馬が好きなんじゃないかな。競馬学校時代から担当馬をすごく可愛がっていました。障がい者馬術の大会で優勝したと聞いた時は嬉しかったですね。

　僕も今年1月に引退しました。お互い騎手としての夢は叶わなかったけど、障がい者馬術で夢を叶えてほしいです。馬が好きで一生懸命な高嶋ならパラリンピックでもいい成績を収められると思います。僕も調教助手としてイチから頑張って、騎手から『乗りやすかったよ』と言ってもらえる馬づくりを目指します。新しい道で頑張る高嶋を一緒に応援しています！

藤懸貴志騎手

◆同期で一番ムキムキだった

　高嶋が落馬したレースは、モニターで見ていました。騎乗していたアバディは何度か掲示板に載っていたので『初勝利するかも』と思っていました。コーナーでの落馬でハッキリと分からなかったのですが、一緒に見ていた人が『あの落ち方はヤバイ』と言ったのを覚えています。一時は危なかったようですが、今年2月の同期会では装具をつけて自分で歩いていました。

　これまで同期会って、誰かが面倒くさいとか遠いとか言って実現することはなかったのですが、高嶋がパラリンピックを目指しているのと、花ちゃん(花田元騎手)が引退したので今年2月に初めて開催したんです。かなり落ちていた握力も20くらいまで戻ったみたいです。回復が早いというか、競馬学校時代から同期で一番ムキムキだったので、やれば戻るんでしょうね。障がい者馬術大会の映像を見たのですが、片腕は動かないはずなのにすごいなと思いました。

　これからは試合で海外へも行くことになるかもしれませんが、頑張ってほしいですね！ って、すでに結果を出しているからすごいんですが。

森一馬騎手

◆「元」じゃなく、今も同期と思っている

　こないだ障がい者馬術の大会で三木(兵庫県)に来ると聞いて、ご飯に行こうと話していたんですが日程が合わず会えませんでした。でも、がんばっているんだなって思いました。

　僕も1年目から障害レースに乗っていて、平地よりは怪我のリスクが高いので気を引き締めています。それでも落馬はあることで、僕も過去に大怪我をしました。当時、彼のレースをモニターで見ていて落馬の瞬間、「あ…」と思いましたが木の陰でよく見えず、後になってから大変なことになったと知りました。

　高嶋は騎手を引退しましたが、元同期じゃなくて今も同期だと思っています。同期のグループLINEでは、誰かが勝つと盛り上がるんですが、彼も「おめでとう」ってメッセージをくれます。一流のパラリンピックを目指しているだけじゃなくて成績もしっかりと挙げて尊敬できる存在です。応援しています！

(取材：大恵陽子)