オールウェイズドリーミングら、北米3歳有力牡馬たちの動向

2017年05月10日(水) 12:00


◆ケンタッキーダービー上位馬はプリークネスSへ

 6日に北米ケンタッキー州のチャーチルダウンズで、北米3歳3冠初戦のG1ケンタッキーダービー(d10F)が行われ、既に多くの読者の皆様が御存知のように、1番人気に推されたG1フロリダダービー(d9F)勝ち馬オールウェイズドリーミング(牡3、父ボディマイスター)が快勝した。

 エピカリス(牡3、父ゴールドアリュール)が6月10日にニューヨーク州のベルモントパークで行われる北米3冠最終戦のG1ベルモントS(d12F)に挑むことが正式に発表されただけに、気になるのは、ケンタッキーダービー出走馬を含めた、北米3歳有力牡馬たちの今後の動向である。

 ケンタッキーダービー組では、1着オールウェイズドリーミング、2着ルッキンアットリー(牡3、父ルッキンアットラッキー)、4着クラシックエンパイア(牡3、父パイオニアオヴザナイル)、7着カナヴェラ(牡3、父ダイアルドイン)らが、20日にメリーランド州のピムリコで行われる北米3歳3冠2戦目のG1プリークネスS(d9.5F)に向かう模様だ。

 G1プリークネスSにはこの他、G3ゴーサムS(d8.5F)2着、G2ウッドメモリアルS(d9F)3着の成績で来ているクラウドコンピューティング(牡3、父マクリーンズミュージック)、G3サンランドダービー(d9F)2着、G1アーカンソーダービー(d9F)2着の成績で来ているコンケストモーマネー(牡3、父アンクルモー)、G3レキシントンS(d8.5F)勝ち馬シニアインヴェストメント(牡3、父ディスクリートリーマイン)、G3イリノイダービー勝ち馬マルチプライアー(牡3、父ザファクター)らも参戦してくる予定だ。

 ケンタッキーダービー組では、5着馬プラクティカルジョーク(牡3、父イントゥミスチフ)の陣営が既に、ケンタッキーダービー以降の2冠には出走しないと表明。ひと息入れた後、距離を少し縮めて、7月8日にベルモントパークで行なわれるG3ドゥワイヤーS(d8F)を目標とするとしている。

 ケンタッキーダービー3着馬のバトルオヴミッドウェイ(牡3、父スマートストライク)は、今週火曜日に本拠地のカリフォルニアに帰厩している。既にプリークネス不出走を表明しているが、ベルモントSのために改めて東海岸に渡るかどうかは、今後関係者が協議して決定される模様だ。

 ケンタッキーダービー6着のタップリット(牡3、父タピット)はレース後、管理するT・プレッチャーがニューヨークに持つ厩舎に移動している。父は14年のベルモントS勝ち馬トナリストを輩出している種牡馬だけに、この馬あたりはベルモントSに向かってくる可能性がありそうだ。

 ベルモントSへ向けた地元の前哨戦となるのが、13日にベルモントパークで行われるG3ピーターパンS(d9F)である。近年では前出のトナリストが、ピーターパンSを勝って臨んだベルモントSを制している。このレースはまた、02年(当時G2)に前田幸治氏のサンデーブレイク、08年(当時G2)に山本英俊氏のカジノドライヴが制しており、このうちサンデーブレイクはベルモントSで3着となっている。

 G1サンタアニタダービー(d9F)3着馬で、ケンタッキーダービーは優先出走順位21番目で除外の憂き目にあったロイヤルモー(牡3、父アンクルモー)が、現段階ではG3ピーターパンSを使うか、G1プリークネスSに向かうかの、両睨みとなっている。G2UAEダービー(d1900m)3着後に、優先順位22位でケンタッキーダービーを除外となったマスタープラン(牡3、父トゥワーリングキャンディ)も、ピーターパンS出走の可能性がある。

 更に、ピーターパンS出走を言明しているのが、タイムライン(牡3)、テイクユアガンズ(牡3、父ブレイム)という、C・ブラウン厩舎の2頭だ。

 父がハードスパン、母の父がエンパイアメーカーと、いずれも日本で供用された経験のある種牡馬を背景に持つのがタイムラインだ。祖母アルダイザがG1ゴーフォーワンドS勝ち馬という牝系出身の同馬は、3月4日にガルフストリームパークのメイドン(d7F)でデビュー勝ち。そして2戦目となった、4月6日にアケダクトで行われた一般戦(d8F)を13.1/2馬身差で圧勝。2戦2勝とした同馬が、G3ピーターパンSで初めて重賞に挑む予定なのだ。一方、4月15日にキーンランドで行われたメイドン(d9F)を2.1/2馬身差で制し、デビュー2戦目で初勝利を挙げたのがテイクユアガンズである。

 ピーターパンSにはこの他、G2ウッドメモリアルS4着のトゥルーティンバー(牡3、父マインシャフト)、4月15日にキーンランドで行われた一般戦(d9F)の勝ち馬ソサエティボー(牡3、父カーリン)、同競走の3着馬イーストポート(牡3、父マリブムーン)らも出走の可能性がある。

 今後も、こうした馬たちの動向をしっかりとフォローしていきたいと思う。

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合田直弘

1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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