光り輝いたモズカッチャンとクロコスミア/エリザベス女王杯

2017年11月13日(月) 18:00


◆「悲しかったです」M.デムーロは競馬場の詩人だった

 勝利騎手インタビューの、M.デムーロ騎手のコメントが素晴らしかった。

 もう、日本語に不自由しないとはいえ、2着に粘っていたのが和田竜二騎手のクロコスミアでしたが…、と振られて、瞬時に出てきた言葉が「悲しかったです」。

「すみません(があって)…」という言葉があったようにも聞こえた。とっさに和田竜二と自分の思いを言葉で表現するのは、これはだれでも無理であり、ふつうの言葉でいうなら「すまない気がした。申し訳なく思いました。でも、和田竜二騎手はすぐ、おめでとうと言ってくれた」ということだった。

 こういうとき、短い言葉でみんなに分かってもらうことは難しい。M.デムーロは一瞬の間も置かず「悲しかったです」といった。考えた、たくみな日本語の言い回しではないから、逆にデムーロの本当の気持ちが伝わった。

 世界に知られるトップジョッキーは、デットーリ以外、しかめっ面の哲学者にたとえられることが多い。ところが、M.デムーロは・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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