「競馬と鉄道」をテーマに講師をしてきました!

2017年11月25日(土) 12:00


◆競馬場の周辺駅についてお話しするつもりでしたが…

 先週の当コラムでお知らせしたとおり、22日(水)に國學院大學渋谷キャンパスで、「競馬と鉄道」についてお話ししてきました。時間が平日の午後だったこともあって、同大の学生さんがけっこう聴きに来られていたようです。御来場いただいた方々には、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

 当日は、東京、中山競馬場の周辺駅について詳しくお話しするつもりでしたが、あちこちで“脱線”してしまい、“定時運行”とはいかなかったように思います。何しろお話ししたいことがありすぎまして…。そのくらい、このテーマは奥が深いんです。

 ところで、今の現役大学生のみなさんは、1990年台後半に生まれた方が多いわけですよね。そういう方々に明治、大正の話をするのはどういうことなのか? ちょっと視点を変えて想像してみました。

 私の生まれ年は1960年。その100年前は1860年です。それがどんな年だったかというと、日本では元号が安政から万延に代わり、桜田門外の変が起きた年でした。自分にとってはかなり縁遠い、教科書の中の時代です。

 それじゃぁ、今年20歳になった方が生まれた1997年の100年前は、そう1897年です。日本は明治30年。京都帝国大学(今の京都大学)や日本楽器(今のヤマハ)がこの年に創立、創業しています。日本で近代競馬が始まったのが1862(文久2)年、東京競馬場のルーツとなる池上競馬場で初の馬券付き競馬が行われたのが1906(明治39)年ですから、現役大学生のみなさんにその頃を実感してもらうのがどんなに難しいか、自分が生まれた100年前のことを考えたら、わかったような気がしました。

 話変わって今週はジャパンC。これも1981年に始まって今年で37回目を迎えます。第1回ジャパンCが行われた時に、私はすでに20歳を過ぎていましたが、現役大学生さんの方々はまだこの世に存在していなかったわけです。

 ついでに調べてみたら、1981年の年間ドル円平均レートは220円54銭。85年には238円54銭までドル高が進みました。その後、だんだん円が強くなって、2011年にはなんと79円81銭に!

 つまり、85年なら約420ドル出せば東京で1泊10万円のホテルに泊まれたのが、2011年には約1253ドルもかかるようになった、という計算です。今年はここまでの平均が112円ちょうど。けっこうドルが戻したとはいえ、1980年代と比べたら隔世の感があります。

 ここ10年、外国馬が1頭も馬券に絡んでいないジャパンC。ただし、2000年以降は毎年必ず1〜2頭の外国人ジョッキー騎乗馬が3着以内に来ています。逆に言えばその17年間に、外国人騎手による1〜3着独占はない、ということ。馬券を買うなら、日本人と外国人のジョッキー騎乗馬を2頭軸にした3連複、3連単でしょう。でもどの組み合わせをセットにするか、それが問題。天皇賞・秋とは馬場状態が激変するので、内田博幸騎手とC・デムーロ騎手のセットを狙うっていうのはいかがですか?

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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