中京適性と経験が生きるこの馬を狙う/愛知杯

2018年01月12日(金) 18:00


◆本格化のシーズンの到来か

 難解な荒れるレースとして定着してきたところに、今年はことのほか評価の難しい穴馬、伏兵ばかりがそろって、人気は大きく割れている。順当な組み合わせも、そういう結果もなさそうに思える。

 好馬体のキンショーユキヒメ(父メイショウサムソン)を狙いたい。昨年の秋後半から動きにしなやかさが加わったように感じていたが、冬場にもかかわらず、この中間の動きはさらに柔らかくなったように映る。

 馬名がまったく似ていないので気がつかれないことがあるが、芦毛のキンショーユキヒメは、昨年の勝ち馬で同じ芦毛のマキシマムドパリ(父キングカメハメハ)といとこの間柄になる。キンショーユキヒメの母アップルティー(父サンデーサイレンス)は、マキシマムドパリの母マドモアゼルドパリの、1歳下の全妹になる。

 マキシマムドパリは、昨年のこのレースを53キロで勝ったほか、16年の愛知杯も0秒3差の4着。前回の中日新聞杯も0秒3差の5着なので、左回りの中京コースに対する適性は高い。キンショーユキヒメも中京コース、それも2000mを「4、1、1」着なのできわめて適性は高い。

 このいとこ同士の2頭のほかに中京コースで勝っているのは、レイホーロマンスと、シャルールの2頭しかいない。スパートのタイミングの難しいコースで、ローカル扱いに近い重賞なので、18頭中の「15頭」が前回とは異なる騎手。なおかつテン乗りの組み合わせが8頭にも達している。

 キンショーユキヒメは秋山騎手と中京2000mの経験があり(0秒3差の4着)、コンビでわずか0秒1差の4着だったマーメイドSでは、上がり最速の34秒3で突っ込んでいる。全5勝中の3勝が、4歳時の昨年なので、使って良化型のメイショウサムソン産駒とあって、いよいよ本物になるシーズンを迎えたところと考えたい。

 スローの年もあるが、今年はコパノマリーンが51キロの軽ハンデなので、若い井上騎手が飛ばしてくれる可能性が高い。3走前の福島2000mでは、前半1000m通過58秒5で飛ばし、2走前の小倉1800mでは前半1000mを58秒2で行って2連勝した馬であり、思い切って行く可能性大だろう(行って欲しいとの指示もありそうである)。

 秋山騎手はそう強気な騎手ではないが、中山と、京都との3場開催で、中京はローカルに近い。こういう条件だと、そんなに弱気にならないはずである。

 展開は厳しそうに見えても、単騎で行ける公算大のコパノマリーン本線に流す。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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