アイルランドのキルデアに滞在しています!【無料公開】

2018年03月29日(木) 18:02


驚くべきは、若手に限らずベテランも同じ生活

 netkeibaをご覧の皆さん、こんにちは野中悠太郎です。

 いよいよアイルランドでの長期研修が始まり、その間、netkeibaさんでコラムを書かせていただくことになりました。

 7か月という長期間のなかで、僕自身の仕事と生活を筆頭に、アイルランド、ヨーロッパの競馬事情についても皆さんにお伝えしていきたいなと思っています。

 3月18日の競馬が終わった後に日本を発ち、イギリスを経由して、現在はアイルランドのキルデアに滞在しています。

 今回の研修でお世話になる調教師は、競馬ファンのなかにはご存知の方も多いかもしれませんが、現役時には凱旋門賞、愛英ダービーを勝利し、日本でも騎乗経験のある元騎手──現在はカラで調教師をされているジョニー・ムルタです!

 アイルランドの競馬の中心地・カラ競馬場から歩いて10分くらいのところに厩舎があり、デビュー前の2歳馬も含めると50頭近くの馬が在厩。僕を含めて3人の見習い騎手と、5人の厩舎スタッフで調教しています。

 調教は、アイルランドに到着した次の日から毎朝5頭に騎乗していて、大まかなタイムスケジュールとしては、毎朝7時に厩舎に行き、すぐに装鞍して7時半に1鞍目が始まります。日本と違い、厩舎に行って作業してから調教が始まるのではなく、着いたらすぐに装鞍をして調教が始まるんです。

キャリアアップ

▲厩舎に着いたら装鞍をしてすぐに調教スタート

 前運動も、カラの調教場に行くまでの道程を運動代わりにしていて、1頭にかける時間も30〜40分。日本と違い、かなり短く感じます。その後は2頭目の調教終了後の休憩を挟み、馬房掃除をしたり、騎乗した馬を軽く手入れしたのち、3頭目、4頭目と続きます。

 まだほかの厩舎を見ていないのでなんとも言えませんが、中間の手入れは軽くブラッシングをする程度で脚を洗わないこともザラにあり、手の空いてる人で作業を終わらせていて、正直かなり雑だなと感じることもあります。

 5頭目の調教が終わると、飼葉をつけて午前中は終了。午後は15時30分くらいから厩舎作業が始まり、馬の体温を測ったり水を換えたりしたのち、飼葉をつけて17時くらいには作業が終わります。

キャリアアップ

▲午後は15時30分くらいから厩舎作業が始まる

 また、午後から競馬のある騎手は、少し昼寝をしてから自家用車で競馬場に向かいます。遠いところでは2〜3時間かけて移動し、競馬に乗って帰ってきて、次の日もいつも通りに朝の調教に出るという生活をしています。

 驚くべきは、若手に限らずベテラン騎手の生活も同様で、日本でもお馴染みになりつつあるシェーン・フォーリーなども、前日の夜9時くらいまで競馬に騎乗し、移動を経て、翌朝の調教にも参加。自ら装鞍したり、馬の手入れも手伝ってから、また夜は競馬に向かうという生活を送っています。

 僕自身は、まだ事務的な手続きなどが終わっていないので競馬には乗れませんが、手続きが終了し次第、アイルランドの騎手が乗れないような斤量を狙って自分をアピールしていきたいと思っています。

 次回は、日本の調教場と比較しながら、カラの調教場と調教内容について紹介する予定です。お楽しみに!

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野中悠太郎

1996年12月29日、福岡県出身。実家が小倉競馬場の近くだったことから騎手を目指す。同期は加藤祥太、鮫島克駿、三津谷隼人。2015年に美浦・根本康広厩舎からデビュー。兄弟子の丸山元気、妹弟子の藤田菜七子に囲まれながら腕を磨く。馬券穴派からの支持が厚い。

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