12期生の同期ユーイチが悲願のダービー制覇!そして僕は…

2018年05月29日(火) 18:00

ユーイチ悲願のダービー制覇、おめでとう!(撮影:下野雄規、(C)netkeiba.com)


ドイツで新たなチャレンジの始まり!

 平成最後のダービー(GI・東京芝2400m)を制覇し、6955頭の中から選ばれた、ただ一頭「ワグネリアン」。そして最高のダービージョッキーに選ばれた、ただ一人「福永祐一騎手」おめでとうございます!!

 ユーイチ最高!19度の挑戦でとうとうやってくれました。やっぱりなんか持ってるなー。

 友道調教師も、2度目のダービー制覇に涙する姿もありましたね。「友道・ユーイチのコンビでずっと一緒に戦ってきた師弟コンビだから思い入れも強かった。何とかうちの厩舎の馬でダービーを取ってほしいと思っていた。ダービージョッキーにしてあげたかった」と語り、喜び合う様子に、もらい泣きしてしまいました。

喜びを共にする(左から)福永騎手、金子オーナー、友道調教師(撮影:下野雄規、(C)netkeiba.com)

 最高の言葉をもらったユーイチもぼろぼろ涙。何度見てもこのシーンは、最高!調教師に信頼されるのは騎手冥利に尽きます。もっとでっかくなってくれるでしょうね。

 僕が現役だったころ、確かデビュー3年目だったかな?坂口正大厩舎のキングヘイローでダービー初挑戦。2番人気の馬でしたよね。やっぱりユーイチはレベルが違うなーと感じていました。あの時とは全く違ったユーイチを見ることができ、嬉しいです。

 いつも兄貴的な存在で、責任感も強く頼りにしていました。今も頼りにしています(笑)。ますます貫禄が出てきましたね。花の12期生の誇りです。

福永騎手のコメント
「19度も騎乗しいろいろなダービーを経験したと思うがこんな感情は初めて味わう。まだフワフワしています。

 初めて経験したダービーは有力馬キングヘイローに乗せて頂きましたが、緊張もあり不本意な騎乗で申し訳なかったです。悔しかったのがあと一歩届かなかったエピファネイアです。これが勝負の厳しさなんだと無力感を感じました。

 そして今日、今までに経験したことのない充実感を与えてくれたのがワグネリアンです。デビューからずっと手綱を任してくれた金子オーナーをはじめ厩舎スタッフ、ファンの皆さん、陰で支えてくれた両親や家族に感謝します。父も喜んでくれていると思います。

 今回のダービーは、友道厩舎が『春はここが最後』と覚悟を決めた勝負仕上げで、スタッフ一丸になって仕上げてくれました。ゲートの中で担当厩務員の藤本さんに『ユーイチさん信じてます』と言って送り出してもらいました。いろんな方に感謝!最高!ありがとうございました!」

 と何度も何度も天を仰ぎ、また頭を下げて、思いをぶつけていました。

 いろんな話題があり書ききれませんね。ユーイチに続けと12期生大活躍のダービーウィークでした。

ダービーは敗れたダノンプレミアムも、今後が楽しみです

 土曜日に行われた新設重賞、テイエムオペラオーの追悼レース、葵S(京都芝1200m)は、古川騎手騎乗のゴールドクイーン号が初代クイーンに輝きました。

葵S初代クイーンに輝いたゴールドクイーン (C)netkeiba.com

 ゲートをスムーズに出てから主導権を握って逃げ切りました。直線で再加速し狙いどおりの最高の競馬をやってくれましたね。古川騎手は「坂口正則調教師が来年定年退職を予定されているので思い入れも強いレース。勝てて良かった」とコメントしていました。2着3着は和田・福永が同着。いいねー!

 日曜日はユーイチがダービーなら、和田騎手が4勝と固め打ち。12期生の活躍週でした。うれしいですね。

***

 水曜日に取材に行ったときユーイチは「今回のダービーは勝ちに行く。そして楽しみたい」と断言し「お前も頑張れよ!」

 みなさんに唐突に「ドイツへ行ったことある?」と聞いたもんだから、トンチンカン(?)な答えがいっぱい返ってきました。

和田「ローカル競馬へ行ってくるわ(笑)」

ダービーデーに4勝の固め打ちをした和田騎手

古川「俺もやるだけやるわ、つねちゃんのこと見てるからね」

調教を精力的にこなす古川騎手

高田潤騎手「凄いな。乗馬の本場だからね。オルデンブルグ、いい血統やね」

高橋亮調教師「つねちゃんドイツへ行くんだって?俺も連れていってくれ(笑)。頑張って来い」

 と、同期4人からプレゼントをいただきました。『感謝』

武豊騎手「とうとう世界デビューか?」

横山典弘騎手「ドイツへ何しに行くんだ?観光か?俺も一度行ったことあるけどね。ドイツでも競馬があるから。ドイツの馬っていいだろ。乗馬も本場だから」

横山典弘騎手「ドイツの馬っていいだろ。乗馬も本場だから」

 僕も他の12期生に少しでも追いつけと、障害者乗馬をはじめ国内の大会に参加してきましたが、先日ドイツでオルデンブルグと言う品種の11歳牝馬と出会い、ドイツの大会に挑戦しようと決めました。

 今まで乗っていた馬とは全く違い「これが乗馬の馬なのか?!」という体験。チャレンジの始まりです。

 同期に話すと「応援してるからな。特に何にも言わなくてもお前のことはずっと見てるから頑張って来い!」と背中を押してくれた。めちゃめちゃ嬉しい!みんな活躍してるから、俺も頑張れる。チャンスは待つものではなく、自分からつかみに行くものだと実感しています。

 6月3日から行ってきます。2回目が7月2日から。ドイツへのチャレンジの始まりです。いい知らせができるといいですね。

 ドイツ語がまったく分からなくてウロウロ…日本語も頼りないか?でも、ココロでぶつかってきます!

***

 安田記念、宝塚記念とまだまだ楽しみなGIが続きます。阪神競馬場でもライブ観戦を楽しんでください。

つねかつこと常石勝義でした。

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常石勝義

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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