好調ジャスタウェイ産駒から目が離せない

デイリースポーツ

2018年09月19日(水) 10:00

 2013年天皇賞・秋をジャスタウェイで制し、馬上でガッツポーズを見せる福永騎手

 新種牡馬ジャスタウェイの産駒が好調だ。既に11勝を挙げ、2歳馬のリーディングサイヤー争いでもロードカナロアに続く2位につける(9月18日現在)。「毎週、産駒はチェックしています。うちの馬じゃなくても勝ってくれたらうれしいですね」と語るのは、現役時代に同馬を担当していた須貝厩舎の榎本優也助手だ。その表情は、まるで子どものことを語る親のように優しく映った。

 産駒では、既に勝ち上がっているアドマイヤジャスタを担当。「体形もそうですし、性格もおとなしく、競馬に行くとスイッチが入るところが似ていますね。真面目で扱いやすいですよ」と教えてくれた。父の最大の長所は「競馬で一生懸命に走るところ。疲れていても、負けたときも、最後までバタバタになることがなかった。勝とうという気持ちを常に持っていた」点だという。それをしっかり産駒に伝えているのだろう。

 私が意外に思ったのは、こんなにも早く結果が出たことだ。祖父であるハーツクライから連想する“成長力”に目が行き、2歳戦よりも来年以降に注目すべき血統と変な先入観を持っていた。一方、ジャスタウェイ自身は、本格化したのは4歳秋とはいえ、新潟2歳S2着や3歳春のアーリントンC制覇など、早い段階から能力の片りんは見せていた。ハーツの成長力に仕上がりの早さも加われば、種牡馬としての将来は明るい。

 現役時代に管理した須貝尚介調教師によると、ノーザンファームの元場長で現キャロットクラブの秋田博章取締役が「ハーツの血が進化している」と語っていたそうだ。ジャスタウェイは、ハーツのスタミナや成長力に母系の米国血統がうまくブレンド。スピードと切れ味がプラスされ、産駒にもいい影響を及ぼしている。師は「馬に軽さもある。距離の融通が利くのもいい」と目尻を下げていた。

 やんちゃで破天荒な同世代のゴールドシップと隣の馬房で苦楽をともにし、「優等生だった」(須貝師)というジャスタウェイの現役時代。その自身の性格までを遺伝しているかは現時点で不明だが、勝ち上がり率の高さや産駒の走りは優等生と言っても過言ではない。今後、さらに良質な繁殖牝馬に恵まれれば、今以上に好結果を出してくれそうだ。

 「ダートで走る馬も出ると思う」と師は語っていた。17日の阪神1Rでは、アロゴ(牝2歳、栗東・武幸四郎厩舎)が中央のダート戦で初勝利を挙げた。ジャスタウェイの母父は、84年BCクラシック覇者ワイルドアゲイン。ダートで活躍する下地も十分に備わっている。

 先に紹介した榎本助手を含め、種牡馬ジャスタウェイがこうして成功の兆しを見せていることで、関係者にも大きな喜びをもたらしている。須貝師は「管理していた馬の子が走る。いい結果が出る。調教師として違う楽しみを教えてもらっている感じだね。ありがたい」と感謝していた。

 これぞ、競馬の醍醐味(だいごみ)ではないだろうか。優秀な血を残し、より速く、強い馬を作り、繁栄させる。既に2戦2勝のアウィルアウェイ(牝2歳、栗東・高野友和厩舎)など、可能性を感じる産駒が出てきており、今後も目が離せない。ドバイで輝いた祖父、父に続き、いつか3世代連続の海外G1制覇を―。そう期待している人は決して少なくないはずだ。(デイリースポーツ・大西修平)

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