2008年07月12日(土) 20:00
早くも夏競馬は序盤から中盤へ。福島オーラスの七夕賞は、暑くなってきたところで軽量牝馬のアルコセニョーラを狙ってみようと思います。最近、狙った馬がソコソコ走ってくれているので、今週も頼みますよ!
さて、来週7月19日から9月7日までは「JRAサマーステージ」。この間は全レースで3連単が発売されます。馬券の売り上げをこれ以上減らしたくないJRAの“ラス前の切り札”(最後の切り札は全開催全レースでの3連単発売?)。ハッキリ言って“夏枯れ対策”ですね。これが吉と出るか凶と出るか。今のところ結果を懸念する声のほうが多いような気がしますが、さぁ、どうなるでしょう?
先日行われたジャパンダートダービー。人気のユキチャンが突然の取り消しで不在になっても、馬券の売り上げは前年より大幅にアップしました。「サクセスブロッケンの頭は固そう。2着候補もJRA勢でほぼOK。でも、3着だったら地方の馬にもチャンスがあるかな」、なんていうメンバー構成になったことで、本命党も穴党も3連単を楽しめるレースになり、売り上げアップにつながったと思うのですが。
今回は中央・地方交流レースでしたが、地方競馬の場合、リーディング上位のジョッキーが1番人気の馬に乗ったときの勝率は極めて高く、これを1着に固定すると、3連単がすごく買いやすくなります。しかも、地方競馬は10頭前後のレースが大半。その中に、近走成績からすると「よほどのことがない限り勝負になりそうもない」という馬もチラホラいますので、そういう馬を相手候補から消しちゃえば、なおさら買い目は絞りやすくなります。
逆に、新聞のネタになっちゃうほどの超高額配当は、そんな“どう見たって買えない馬”が連れ立って来るから飛び出るわけです。3連単の発売レースが増えれば、そういうことがいくらか起きやすくなるはず。JRAの3連単解禁には、馬券の売り上げアップへの直接的な期待とともに、「混戦の未勝利戦や障害戦でとてつもない配当が出れば、マスコミに大きく取り上げてもらえる」という狙いもあるんじゃないですか?
でも、“どう見たって買えない馬”が連れ立って来るレースって、メッタにないですよね。実力と調子を見極めやすく、リーディング上位の騎手の信頼度が高い地方競馬では、競馬史に残るような超高額配当ばかり狙って馬券を買っていたら、間違いなくドツボにハマってしまいます。
少ない買い目(投資額)で毎レース楽しめて、1日ひとつでも万馬券(10万馬券とは言いません)が当たればほどよく儲けられる(かもしれない)のが、地方競馬の3連単。この夏、「JRAがやるならウチも」ということで(?)、岩手=盛岡・水沢と兵庫=園田・姫路競馬でも全レース3連単発売を始めます。これで、ばんえい競馬を除くすべての地方競馬で3連単の全レース発売が実施されることになりました。岩手、兵庫にとっては“最後の切り札”かもしれませんが、当然と言えば当然の流れだと思います。JRAで3連単が当たらなくてお悩みのあなた、この夏は、比較的当てやすい地方競馬の3連単で“ヒットの感覚”をつかんでみてはいかがでしょうか?
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。