JRAが夏季限定で3連単の全レース発売を始めてから3週間が過ぎました。すでにかなりの高額配当も飛び出して、一攫千金の夢が大きくふくらんでいるようです。私は思った通り(？)“鳴かず飛ばず”の状態ですが(泣き笑い)、みなさんはいかがですか？

　十人十色と言いますが、競馬の場合、100人のファンがいれば100通りの馬券戦術があると言えるでしょう。単勝や複勝で勝負する人、馬単ひと筋の人、ワイド好きの人、3連単より3連複という人、3連単がヤミツキになっちゃってる人、などなど、どの種類の馬券を買うかによってもタイプが分かれます。でも、ちょっと考え方を変えれば、別のタイプの馬券が自分にピッタリ合うかもしれません。そこで今回は、総流しについての話です。

　まず、馬連の総流し、または馬単の軸馬1着総流しと軸馬2着総流しの合わせ買い。軸馬が2着以内に来れば必ず当たります。ということは、2着払いの複勝を買うようなもの。日本の複勝は8頭立て以上なら3着払い、7頭立て以下なら2着払いとなりますが、アメリカでは出走頭数に関係なく、2着払いの「PLACE」と3着払いの「SHOW」という2種類の複勝が発売されています。この2つの総流しは「PLACE」を買ったと思えばいいわけです。

　当然、ワイドの総流しは、3着払いの複勝＝「SHOW」を買ったのと同じ。軸馬が3着以内に入れば当たります。実は私、このワイド総流しで大万馬券を当てたことがあるんです。まだ3連複、3連単のない頃。16頭立てのレースで、私の選んだ軸馬が1着、1番人気の馬が2着、最低人気の馬が3着となり、1着と3着の組み合わせが4万円もついちゃいました。買い目は14点。100円ずつ流しましたから1400円の投資。軸馬の複勝は10倍以下の倍率だったので、それを1400円買うより、ワイド総流しのほうがはるかにおいしかったわけです。こういうのが時々引っかかるワイドの総流しって、けっこうおもしろいんですけど。

　3連複の1頭軸流し、または3連単1頭軸流しのマルチで、相手をすべてマーク(総流し)するのも複勝を買うのと同じ。複勝なら、なんとなく当たりそうな気がするでしょう？　だったらこの作戦でビッグな配当を狙ってみませんか？　ただし、これは買い目が一気に増えるのでフトコロに余裕がないとできません。マークカードにも書いてありますが、16頭立てのレースなら、3連複1頭軸総流しの買い目は15×14÷2で105点、3連単1頭軸流しのマルチは15×14×3で630点になります。

　1頭軸は買い目が増えすぎて、という場合、2頭軸はいかがですか。3連複2頭軸の総流し、または3連単2頭軸総流しのマルチは、ワイドの1点勝負と同じことです。軸に選んだ2頭がともに3着以内に入ってくれれば、“もう1つの着順”の馬はすべて相手にしているので必ず当たります。点数は、3連複なら出走頭数−2、3連単マルチなら(出走頭数−2)×3なので、かなり絞れます。

　おしまいにこれらの応用型。いつも馬単ボックスを買っている方、それを3連単にしてみましょう。ボックスで買おうとしている馬を3連単フォーメーションの1、2着のところにマーク、3着には他のすべての馬をマークすればいいわけです。ふだん買っている馬単が当たる時は、この買い方の3連単も間違いなく当たり。点数はボックスの点数×相手頭数なので、例えば16頭立てで4頭ボックスなら、4×3×(16−4)＝144通り。これで、メチャメチャおいしい馬券が当たっちゃうかもしれません。

　考え方をちょっと変えれば、3連複や3連単も複勝やワイドなどと同じ感覚で買える、ということです。でも、注意しなければいけないのは“元本割れ”のリスク。複勝が当たれば悪くても元返しですが、複勝と同じような気持ちで3連複1頭軸総流しや3連単1頭軸総流しのマルチを買った場合、買い目の数以上の倍率がつかないと“元本割れ”になっちゃいます。くれぐれもご注意を。

　今回の話は、私が書くまでもなく、よくご存知の方も多いはずです。でも、3連複や3連単をどうやって買ったらいいのか、戸惑っていらっしゃる方も、意外に多いような気がします。私の話をヒントに、3連複、3連単を楽しんでいただければ幸いです。当たるかどうかのヒントにはならないと思いますが。

　さて、夏の新潟名物、外回りマイルの関屋記念は、トップオブツヨシを狙います。フサイチアウステルを目標に、中舘騎手がうまく乗ってくれるでしょう。

　最後に、今週もお知らせ。13日(水)、新潟競馬場となりのオフト新潟で、大井競馬「黒潮盃」の予想イベントを開催します。出演は、中央競馬ワイド中継でおなじみの目黒貴子サンと私。お近くの方はぜひお越しください！ 参加無料！商品総額50万円！netkeibaPOG大会「POGダービー」が開幕！