13日(月)より17日(金)まで開催された「オータムセール」が終了した。前回、「1歳市場に関してはまずまずの滑り出し」だと書いたが、4日間を終えてみると、今春以来続いている市場の不振に歯止めがかからず、厳しい結果に終わった。

　1歳市場に上場されたのは全部で746頭。名簿上では931頭もエントリーしていたので、上場率は80.12％。当歳同様に約2割の馬が欠場したことになる。そして、落札は266頭。売却率34.8％は、昨年よりも8.8％ほど下落したことになる。

　売り上げ総額は8億1300万4500円。1頭当たりの平均価格は約305万円。総額では前年比−3億7162万円。率にして31.3％もの大幅減となった。平均価格も前年より約50万円下がり、あらゆる数字が前年割れという結果に、生産者の表情も一様に厳しかった。

　「もうオータムセールになると、種牡馬の種付け料がいくらか、ということはほとんど無関係になる。落札価格はもうどん底と言って差し支えないレベルまで落ちてしまった」とある生産者は苦渋の表情を浮かべる。そして「しかし、購買者にとっては、やっぱり種牡馬は気になるみたいで、種付け料の高い種牡馬ほど注目されるのはオータムセールも同じこと。ところが、それが価格には必ずしも反映しなくなっている」と続ける。

　競りかける相手が少ないため、結果的にかなりの安値で落札される上場馬が目立ったが、日高では評価の高い人気種牡馬とされるタイキシャトル、コマンダーインチーフ、ブライアンズタイムなどの産駒でも、今回のオータムセールではびっくりするような落札価格で購買されたケースがあった。「ここまで来たか」と言葉を失うほどの相場になっており、「これから先、いったいどうなるのか」という先行き不透明感ばかりが生産地を覆う。

　主要な種牡馬別成績を以下に列記してみる。

アグネスタキオン　上場1　落札1　平均価格700万円(税抜き)

アグネスデジタル　上場2(欠場2)　落札1　平均500万円

アグネスフライト　上場2(欠場2)　落札1　平均200万円

アジュディケーティング　上場10(欠場1)　落札4　平均290万円

アドマイヤコジーン　上場7(欠場1)　落札1　平均150万円

アドマイヤドン　上場13(欠場3)　落札2　平均155万円

アドマイヤボス　上場15(欠場6)　落札6　平均148万3333円

アドマイヤマックス　上場4　落札2　平均250万円

アフリート　上場7(欠場2)　落札5　平均490万円

アルカセット　上場14(欠場1)　落札8　平均373万7500円

イーグルカフェ　上場20(欠場3)　落札6　平均256万6666円

エイシンサンディ　上場5　落札3　平均240万円

オペラハウス　上場16(欠場2)　落札6　平均365万円

カリズマティック　上場6　落札1　平均200万円

キッケンクリス　上場3　落札1　平均100万円

キャプテンスティーブ　上場3(欠場1)　落札2　平均165万円

キングカメハメハ　上場4　落札1　平均800万円

キングヘイロー　上場18(欠場5)　落札6　平均235万円

グラスワンダー　上場16頭(欠場8)　落札7　平均211万4286円

グランデラ　上場11(欠場2)　落札5　平均246万円

グリーンアプローズ　上場4　落札2　平均225万円

クロフネ　上場3(欠場1)　落札2　平均605万円

ゴールドアリュール　上場4(欠場1)　落札3　平均　370万円

コマンダーインチーフ　上場16(欠場3)　落札4　平均112万5000円

サウスヴィグラス　上場7(欠場2)　落札4　平均187万5000円

サクラバクシンオー　上場5(欠場1)　落札3　平均600万円

サッカーボーイ　上場8(欠場1)　落札2　平均100万円

ザッツザプレンティ　上場11　落札7　平均291万4285円

サニングデール　上場5(欠場1)　落札1　平均230万円

ジェニュイン　上場7(欠場3)　落札2　平均255万円

シックスセンス　上場5(欠場2)　落札2　平均212万5000円

ジャングルポケット　上場4(欠場2)　落札1　平均1510万円

スウェプトオーヴァーボード　上場16(欠場1)　落札7　平均368万5714円

スキャターザゴールド　上場5(欠場1)　落札1　平均80万円

スキャン　上場9(欠場2)　落札2　平均200万円

スターオブコジーン　上場3(欠場1)　落札2　平均260万円

スターリングローズ　上場9(欠場2)　落札3　平均150万円

ストラヴィンスキー　上場17(欠場3)　落札4　平均220万円

スパイキュール　上場9(欠場1)　落札2　平均165万円

スペシャルウィーク　上場4　落札2　平均975万円

ゼンノロブロイ　上場8(欠場2)　落札1　平均400万円

ダージー　上場4(欠場2)　落札1　平均100万円

タイキシャトル　上場6(欠場1)　落札3　平均256万6666円

タップダンスシチー　上場22(欠場4)　落札5　平均200万円

タヤスツヨシ　上場5(欠場3)　落札1　平均190万円

ダンスインザダーク　上場8(欠場3)　落札6　平均535万円

チーフベアハート　上場3落札1　平均240万円

ティンバーカントリー　上場6(欠場4)　落札2　平均305万円

トウカイテイオー　上場6(欠場4)　落札1　平均150万円

トワイニング　上場9　落札3　平均226万6666円

ニューイングランド　上場11(欠場6)　落札6　平均200万円

ネオユニヴァース　上場8(欠場2)　落札4　平均440万5000円

ノーリーズン　上場2(欠場2)　落札1　平均240万円

ノボジャック　上場6　落札3　平均130万円

バゴ　上場8(欠場1)　落札2　平均685万円

バブルガムフェロー　上場6(欠場1)　落札2　平均155万円

パラダイスクリーク　上場11(欠場3)　落札4　平均112万5000円

ファルブラヴ　上場2(欠場1)　落札2　平均175万円

フサイチコンコルド　上場12(欠場3)　落札5　平均190万円

ブライアンズタイム　上場1　落札　1　平均250万円

ブラックタキシード　上場6(欠場2)　落札2　平均240万円

プリサイスエンド　上場11(欠場1)　落札8　平均276万2500円

フレンチデピュティ　上場2(欠場1)　落札1　平均690万円

ヘクタープロテクター　上場4(欠場3)　落札1　平均200万円

ボーンキング　上場11(欠場1)　落札6　平均218万6666円

ボストンハーバー　上場5　落札2　平均290万円

ホワイトマズル　上場6　落札3　平均216万6666円

マーベラスサンデー　上場19(欠場1)　落札7　平均322万8571円

マイネルラヴ　上場12(欠場2)　落札6　平均270万円

マヤノトップガン　上場8(欠場5)　落札3　平均216万6666円

マリエンバード　上場9　落札2　平均200万円

マンハッタンカフェ　上場10(欠場2)　落札6　平均561万6666円

ミラクルアドマイヤ　上場2(欠場1)　落札1　平均250万円

ムーンバラッド　上場7　落札4　平均330万円

ムタファーウエク　上場7　落札1　平均250万円

メイショウオウドウ　上場5(欠場1)　落札2　平均330万円

メジロベイリー　上場2　落札1　平均80万円

メジロライアン　上場4(欠場1)　落札3　平均230万円

リンドシェーバー　上場9(欠場3)　落札3　平均256万6666円

レギュラーメンバー　上場5(欠場3)　落札2　平均85万円

ロージズインメイ　上場4　(欠場1)　落札3　平均716万6666円

ワイルドラッシュ　上場3　落札1　平均250万円

　一部割愛した種牡馬もいるが、オータムセールにおける「売れ筋」とおおよその価格はこれでお分かり頂けるだろう。ただし上場馬における牡と牝との産駒割合が種牡馬によってばらつきがあるため、必ずしも、現時点における人気度を反映していない部分もある。とはいえ、こうした市場での売却率や平均価格が来春の配合を考える際に微妙に影響することは言うまでもない。

　なお、複数の上場馬がありながら、落札がゼロだった種牡馬に関しては敢えて記載しなかった。

　1歳市場4日間を通じての最高価格馬は475番「パキータ2007」(父ジャングルポケット、牡栗毛)で1510万円(税抜き)。生産は新ひだか町の田中裕之氏、コンサイナーはハッピーネモファーム、落札は(有)エッジ。ジャングルポケットは牡馬の上場馬がこの馬1頭のみで、残りの牝馬はいずれも主取りに終わり、明暗を分けた。

　この後、22日には(株)ジェイエス主催の「繁殖馬セール」が22日に開催予定である。名簿上では上場馬が220頭にも及ぶ。果たしていかなる結果が出るものか。