2008年10月25日(土) 23:50
今週はブリーダーズCウィーク(25、26日、アメリカ・サンタアニタ競馬場)。カジノドライヴが出走するクラシックは日本時間の26日(日)朝8時45分過ぎにスタートします。みなさんにこのコラムをお読みいただいている頃には、もう結果が出ているかもしれません。展望については合田直弘さんのコラムでどうぞ。
今年で創設から四半世紀、25年目を迎えるブリーダーズC。これを先駆けとして、その後、ドバイワールドCや香港国際競走、ウィークエンドロンシャンなど、GIレースをメーンに据えた競馬の超ビッグイベントが、世界のあちこちで次々に開催されるようになりました。イギリスのロイヤルアスコットミーティングや、オーストラリアのメルボルンカップカーニバルなどを合わせると、1年を通して、競馬の祭典が楽しめるわけです。本家本元のブリーダーズCでは、昨年から開催を2日に分けてレース数を増やし、今年は初日をレディースデーとするなど、パワーアップに懸命です。“ワンオブゼム”にならないようにするには、なかなか大変な時代になったということです。
実は私、ブリーダーズCをナマで見たのは1度しかありません。1988年(昭和63年)、チャーチルダウンズ競馬場で行われた第5回ブリーダーズCです。雷を伴った大雨が降り続く最悪の空模様。最後のクラシックがスタートする頃には、各馬を判別するのが難しいほど暗くなってしまいました。それでも、強豪揃いのGI戦が次々に繰り広げられるんですから、おもしろくないわけがありません。海外競馬に関してはまるで初心者だった私は、デイリーレーシングフォームを穴の開くほどにらんで狙いを定め、慣れない英語でアタフタしながら馬券を買い、ドキドキしながらレースを観戦するという、ドタバタの連続。双眼鏡を持つ手も震えて、レースの細かいところまではとても見られない状態でした。ちなみに、その時のクラシックの勝ち馬はアリシーバ。2着がシーキングザゴールド。今あらためて振り返れば、やっぱりすごいレースを見たんだなぁ、と思います。ただ、もしその1年後に行っていたら、サンデーサイレンスのクラシックを見られたんですよね。ウーン、ちょっと残念。
それはさておき、当時、ブリーダーズCをナマ観戦した印象を「おもちゃ箱をひっくり返したような楽しさ」と表現した覚えがあります。今は「ステーキに寿司に天ぷらにキャビアに松茸にふぐに、その他いろいろ、次々にご馳走が出てくるような楽しさ」と言い換えたいと思います。競馬ファンならぜひ一度、その楽しさをナマで体験してみてください。私ももう一度行ってみたいと思っているんですが、土曜日の仕事があるもので、その機会はしばらくなさそうです。
最後に菊花賞の予想を一言。と言っても、ここでの予想が長いこと当たっていないので自信は全くありません。メンバー中唯一の京都芝2勝馬、メイショウクオリアからワイドを流します。破れかぶれの大穴狙い。これが当たったら大変です!? ではまた来週!
バックナンバーを見る
このコラムをお気に入り登録する
お気に入り登録済み
お気に入りコラム登録完了
矢野吉彦「競馬最前線」をお気に入り登録しました。
戻る
※コラム公開をいち早くお知らせします。※マイページ、メール、プッシュに対応。
矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。