ダノン対決、どっちが上?

 今年も4頭の3歳馬が登録しているが、中でも春のクラシックをトップレベルで
走り抜けたダノンキングリーには、大きな注目が集まっている。
 春のクラシックでは皐月賞3着、日本ダービー2着と、あと一歩だったダノンキ
ングリーだったが、勝ち馬とはいずれもタイム差なしの接戦を演じており、この
馬が3歳トップレベルに位置していることは間違いないだろう。

 そのポテンシャルを如何なく発揮したのが前走の毎日王冠だ。
初の古馬との対戦にも関わらず、単勝1.6倍という圧倒的な人気に推されたダノン
キングリーだったが、スタートで出遅れるというアクシデント。
開幕週の東京で最後方から、という厳しい競馬となったが、最後の直線で上がり
最速となる33.4秒の末脚が炸裂。上がり2位のモズアスコットに0.6秒差をつける
“異次元の末脚”で、粘るアエロリットを振り切っている。
ある記者は、何よりもアエロリットに勝ったことが「超一流の証」と話している。
 
 実際にアエロリットは東京の牡馬混合戦で無類の勝負強さを持っている存在だ。
NHKマイルC・毎日王冠の重賞2勝を筆頭に3勝2着3回3着1回と7戦して馬券圏内
を外したことが無い。それも7戦の内、デビュー戦以外の4戦がG1で2戦がG2の
毎日王冠というのだから、そのスペシャリストぶりは現役屈指といえよう。
 
 さらにこの舞台でアエロリットに勝った馬は、現役最強馬アーモンドアイを
筆頭に、ダノンプレミアム・インディチャンプ・モズアスコットと錚々たる
メンバーだ。ダノンキングリーはそんな偉業をやってのけたという訳だ。

 今回のマイルCSではダノンキングリーに加え、ダノンプレミアム・インディ
チャンプ・モズアスコットと4頭の過去にベスト・アエロリットに先着した
馬が激突するが、全てハナ差やクビ差といったタイム差なしの先着。
この中でもダノンキングリーが最大着差(1馬身1/4)をつけています。

 つまり『東京の牡馬混合戦』でアエロリットに「完勝」したのはアーモンド
アイとダノンキングリーだけということになる。
アエロリットを物差しに考えると、ダノンキングリーの「あっさり」があっても
おかしくない。
「ダノン対決」が大きな注目を集めている今年のマイルCSだが「ベスト・アエ
ロリット」という物差しで測れば、後輩にアドバンテージがありそうだ。