2009年10月02日(金) 12:55
阪神のダート2000mは開催に2レース組まれるぐらいでめったに行われない。だから、OP級だと大体この程度の時計が水準という目安が乏しい。
レコードは今回出走するワンダースピードの「2分01秒0」。5回12月、58kgで快記録を樹立している。しかも、それまでのレコード2分03秒9も、自身が5歳春に記録したものだった。ポン駆けはOK。7歳馬だが、今年[2-2-0-0]の成績が示すように衰えなど少しもない。この馬を嫌う手はない。
だが、阪神ダート2000mはことのほか道中のペースによる走破時計の差が生まれた。最近のダートは含水量によって著しくタイムに差が出るので、時計は参考にしにくい面が大きい。
事実、この重賞の勝ち時計は、07年が2分05秒1。昨08年が2分03秒8(2着がワンダースピード)。仮に今年、2分03秒台が勝ち時計と想定すると、ハンデ戦だけに時計面でクリアできそうな馬は何頭もいる。
目下のデキの良さとハンデ、そして3〜4歳馬には山のようにダートで出世可能な馬が存在することを考慮し、半弟の3歳馬ワンダーアキュートから入る。前走、自身のダート1800m(阪神)の時計は大幅に詰めて、1分51秒6。上がり37.1-12.7秒で抜け出して5馬身差。まだまだ余力があったように映った。
父は3歳時に急激に力をつけ、ケンタッキー・ダービー、プリークネスSを伏兵として快勝した馬。ベルモントSも3着だからフロックではなかった。兄より早くにOP入りしたこの馬、まだ実績では劣るが、中間の素晴らしい動きと、コース適性(阪神ダートで2勝)、上昇度を考えれば54kgだけにいきなりOPでも通用すると思える。兄の全11勝が1番人気ではないのと同じように、この馬の4勝もすべて伏兵人気でのもの。同じようなタイプで、ひと回りスケールで上回る馬に成長して不思議ない。素直に人気上位馬が相手だが、穴馬はダークメッセージ。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。