2009年10月09日(金) 12:50
かつて、JRAのレースは「芝」で行われるのが当たり前だったという。体系からなにからイギリスの範をとったから、競馬は芝で行うのが当然とされたのだろう。JRAに本格的にダート競馬が登場して、競走体系の中にダート重賞が含まれるようになったのは1960年代のこと。だから、ビッグレースはみんな「芝」で、ダート競馬は格下の、あまり価値のないレースとしての歴史が長く続いたのは、仕方のないことだった。「ダート競馬=公営競馬」のイメージも、「伝統のビッグレース=芝」と対照的だったかもしれない。
しかし、アメリカを中心のダート競馬は、生産や興行もあるが、いまや競馬の半分近く(ちょうど日本のレース数と同じ)の重要度を占めている。世界の頂点に立つビッグレースの半分は、いま芝コースではない。時代を反映するように、現在のJRAのレースもダート部門の方にむしろ逸材が多いのではないかと思える勢力図がみえる年もある。欧州血脈の輸入馬が減り、大半が北米からの輸入馬。生産の基盤がそう変化しつつあるともいえる。現4歳世代、あるいは3歳世代など、ひょっとすると正当なランキング評価だと、ダート巧者の方がレベルは高いかもしれない。
理想は、両方こなすスーパーホース(アグネスデジタル、ドバイミレニアムのように)。全然、スケールは落ちるが、2走前の京王杯SC(GII)を0.3秒差のイースターは、ダートは巧者に近いのではないかと思わせる。これまで2戦、ダート1700m1分44秒7、ダート1800m1分51秒2(ともに1600万)の経験しかないが、とくにダート1700mの白川郷S(中京)はまだ脚があった印象が強い。上がり37.1秒。
今度は距離はベストに近い1400m。高速決着も予測される東京ダート。狙う価値ありだろう。1分22秒台の記録を持つテイエムアクション、セレスハント、ワンダーポデリオの3頭中心に、ナンヨーヒルトップ、フライデイフライト、キクノサリーレまで流したい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。