武蔵野S

2009年11月06日(金) 12:50

 現在の「ダート界」は、3歳馬も、4歳馬も、そしてGI格8勝を記録したベテラン勢の中心ヴァーミリアンも、とにかく役者が揃っている。JRAのGIは2つだけだから、交流レースを除くとGI(格)の勝ち馬はごく限られるが、実際にはGI級という逸材が溢れている。交流レースの出走枠など、もう全日本規模を明確にして改革したい。JBCクラシック(名古屋)。3連複190円、3連単560円では売れないし、盛り上がらない。

 まだ無冠だが、逆に57kgの斤量の利がある4歳マチカネニホンバレから入る。前々走の凡走は、ダート1700mを日本レコードで快勝の反動(というべきか、短期放牧に出て気合が抜けていた)で凡走したが、まだ底を見せたわけではない。かなり不器用、さらには一本調子型のきらいがなくもないが、だから東京ダート(4戦4勝)は合っている。また、距離の1600mも変に緩急のペースを問われないから脚質に合っている。5走前のダート1600m1分35秒3は、休み明け、格上がり、それでハンデ頭の57kgだったがまったくの楽勝。

 昨秋11月の1分35秒7(大差勝ち)も、その1週前にまったく同じペースで流れた武蔵野Sが大接戦で1分36秒0だったことを考えると、こと東京ダート1600mでは1000万当時から、オープン級の能力を示していたともいえる。

 3歳トランセンドの前走の失速も、新潟の良のダートを1分49秒5(自身のレコードとタイ記録)で激走の疲れだろう。行きっぷりが変だった。まだ底を見せたわけではなく、もともと高速ダート向きの配合。東京ダートに移って巻き返したい。3歳馬だからもまれない外枠もなによりの好材料と思える。

 JBCクラシック出走がかなわなかったサクセスブロッケンは一段と迫力アップ。59kgは有利ではないが、57kgで1分34秒6のレコードでフェブラリーSを勝った馬。新星に簡単にチャンピオンの座はゆずれない。

 3頭のほかでは、58kgでも3歳テスタマッタが怖い。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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