伊勢佐木特別

2002年05月10日(金) 12:07

 5歳エクセシヴワードはまだ無名だが、これから大きく成長する可能性を秘めている。パワフルなダート巧者の牝馬として計15勝もしたファストフレンドの半弟。最初から期待は大きかった。

 ただし、デビューしたのは4歳の夏。弱い部分が多かったため、公営の深いダートの高知で脚元に負担のかからないように出走した。4歳時は結局3戦しただけで未勝利。今年は5歳(旧6歳)未勝利馬となってしまったが、やっと順調に使えるようになると、長い辛抱が実を結んだ。1〜4月のあいだに、なんと500万条件を3勝もしてみせた。前走の新潟ではスタートが悪く、ちょっと前半モタモタしたがそれでも完勝している。

 今回は格上がりだが、注目は2走前の中京戦。ダート1700m1分47秒0は平凡なようにみえて、同日の1000万特別を0.6秒も上回っていた。最後の1ハロンは12.7秒。馬なりに近いストライドで2着以下を9馬身も引き離している。

 ファストフレンドがそうだったように、距離はこの2100m前後がベスト。先行して渋く粘るタイプだけに、あまり速くなりそうもないこの距離なら格上がりの不利はほとんどないだろう。幸い、時計に限界があり、伸び悩んでいる差し一手型が多いのも有利だ。ジェイドロバリー産駒はやや地味だが、しぶとく大崩れしない特徴もある。

 相手は絞れないが、穴馬として面白いのはこういう距離の方が合いそうなテンクウジョー。母はロンググレイスなどの母として知られるスイーブの全妹で、牝系は成長力のある名門。これから力をつけていきそうだ。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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