中山金杯

2010年01月04日(月) 23:51

 直前になって最有力馬の1頭だったトーセンジョーダンが、昨年の長期休養の原因にもなった裂蹄で出走断念。やっと復活なった期待馬だけに非常に残念。暖かくなってからの早めのカムバックを待ちたい。

 戦列にカムバックして1000万条件から再スタート。もう屈腱炎(細胞移植によって奇跡的に回復)の心配がなくなった7歳アクシオンの、重賞連覇のチャンスだろう。4歳時のほとんどと5歳時を全休し、6歳の春まで。27か月もの長期休養から見事に立ち直った。上がり馬として菊花賞を3分03秒5で善戦した当時に戻っただけでなく、520kg前後の馬体が鋭く映るようになったから、いよいよいま本格化と考えたい。

 前回の鳴尾記念、スローだったから上がり3F33.1秒は他馬と比較してとくに速いわけではないが、みんなが一斉に追い出されてスパートにかかった直線。中団からスルスルと進出したこの馬は、馬なりのままハロンラップ11.0秒の地点で抜け出し、本気で追ったのは最後の1ハロンだけ。スマートギア(京都金杯の最有力馬)との0.2秒の着差以上に、また上がり33.1秒の数字以上の完勝だった。

 距離の2000mはOK。ハンデの57kgも他との比較上さして重いわけでもない。コンビの復活した藤田騎手とは[3-1-0-0]。抜け出せるだろう。

 勝ち味には遅いが、多少なりとも時計がかかりそうなこの時期の2000mこそ理想のトウショウシロッコと、長距離戦ばかりに出走しているが、むしろこの2000m前後の方が合いそうなヒカルカザブエが強敵。ハンデ戦なので人気薄の伏兵では、52kgのブルーマーテルを相手の1頭に加えておきたい。

 京都金杯は、人気でもこの距離でこそフルに切れ味を生かせるスマートギア(巻き返したい武豊騎手)が中心だが、急に天気が怪しくなってきた。少し渋っての穴馬はベテラン7歳フィールドベアー(京都のマイルはイメージ以上に得意)だろう。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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