2010年01月05日(火) 23:50 0
ネットケイバを御覧の皆様、明けましておめでとうございます。本年も、海外競馬に関わるコラムを書かせていただくことになりました。皆様方にとりまして興味深い話題をご提供できますよう、全力を尽す所存ですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2010年も、見るのが待ち遠しいレースや活躍が楽しみな馬が目白押しの世界の競馬だが、スケジュール的に言って最初に大きな関心を集めそうなのが、ドバイの新競馬場メイダンの落成だろう。1月28日のこけら落としから、3月4日のスーパーサーズデイを経て、3月27日のドバイワールドCナイトにいたるまで、10日の開催が予定されているが、これまでコンピューターグラフィックスでしか見たことのなかった内装や、タペタという人工素材を敷設したメイントラックで施行される競馬を、早くこの目で確かめたい思いだ。
昨年最後のコラムで、主催者はドバイワールドC当日のプログラムを早く発表すべし、と書いたら、記事掲載の直後にリリースが出され、全貌が明らかになった。そうでなくても豪華だったプログラムが、一段とリッチになったので、早速ご紹介したい。
まず、従来とは変わると噂されていた短距離戦だが、昨年までは2月に組まれ、今年は当初の発表では3月5日に行われる予定だった芝1200mのG3アルクオーツ・スプリントが、3月27日のワールドCデーに移設され、賞金総額も当初発表の20万ドルから100万ドルに増額されることが明らかになった。
アルクオーツ・スプリントの舞台となるのが、従来のナドアルシバとは異なり、メイントラックとして外側に設置された芝の周回馬場に付設された、1200mの直線コースである。主催者から出されたリリースには、「その後、ロイヤルアスコット、あるいは、シンガポールで行なわれるレースに参戦する国際的スプリンターにとって、またとない時季に開催されるレースとなろう」との文言があるので、おそらくは、近い将来のグローバルスプリントチャレンジ入りを念頭においた移設であろうと思われる。
なお、アルクオーツ・スプリントがなくなってしまった3月5日には、新たに、芝1200mの一般戦が新設されることになった。
一方、消滅の噂もあったG1ゴールデンシャヒーンは、従来の直線ダート1200mから、周回コースのオールウェザー1200mに条件を変えて、今年も施行されることになった。
ということで、10年のワールドC当日は、4つのG1を含めて7つの重賞が行なわれ、賞金総額はなんと2625万ドル、日本円にしておよそ24億4千万円という、途方もない額になることが明らかになった。
ワールドCデーの各レースへ向けた無料エントリーの締め切りが、1月13日に迫っている。日本から、誰がどのレースにエントリーをするのか、発表を楽しみに待ちたいと思う。
さて、ドバイレーシングクラブは、ワールドC当日のプログラムを発表すると同時に、カーニバル期間中に行なわれるレースのうち8つについて、当初発表されていた芝コースからオールウェザーコースに移設して施行することを決めて発表した。目的は、新設されたばかりの芝コースの保護である。当初は芝で施行するとしながら、オールウェザーに変更になるのは、以下のレースだ。
*1月28日、レーティング100以上の2000m戦
*2月4日、レーティング95~110の1200m戦
*2月11日、3歳の1400m戦
*2月18日、レーティング95~110の2400m戦
*2月18日、レーティング95以上の1200m戦
*2月19日、レーティング95~110の2000m戦
*2月25日、レーティング95~110の1200m戦
*3月5日、レーティング95以上の2000m戦
上記変更により、メイダンのこけら落としとなる1月28日のプログラムから、芝のレースが消滅。メイダンの芝コースのお披露目は、2月4日の第6レースに組まれた、レーティング95以上の2800m戦まで、待たねばならぬことになった。
新たな馬場の芝の根付きについては、当初から懸念されていたことだが、初年度については、パターン競走とその前哨戦に使用を限ることで、少しでも良好な状態を保つよう図ることになったようだ。
合田直弘
1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。