2010年01月15日(金) 23:00
目下絶好調の5歳馬エーシンフォワード、また、まだまだこれから強くなりそうな4歳馬レッドスパーダの評価は下げられないが、狙う価値ありは8歳馬ダンスインザモア(父ダンスインザダーク、母の父リヴリア)。もう衰えたと見られていたが、昨秋後半から確実に体調アップ。不振時には絞れなかった馬体もいまは太くない。
着順こそ冴えないが、前々回はほとんど良績のない左回りの東京で1600m・1分33秒8。前走のディセンバーS・1800mは4着とはいえ、差はたった0.2秒だけ。完全復活とはいえないまでも、9割方好調時に戻っている。
このニューイヤーSを1分33秒4で差し切ったのは、もう3年も前の5歳時のことになる。そういう馬がいかにベテランホースの活躍が続くとはいえ、簡単に盛り返したりできないのは納得。しかし、ダンスインザモアは5歳後半から脚部難で1年半も休養し、立ち直りかけた7歳時にも9か月半も休んでいる。衰えたように映る時期があったのは確かだが、ここ2年半以上はほとんど不満足な状態で、休み休みの出走だった。それが昨年後半からビシッと追って、連続して出走できるようになり、ここ2戦は少差なのである。今回は全4勝中3勝を記録する中山コース。あまり快時計の出るような馬場では苦しいが、この時期の1600mだから「1分33秒台中盤」の決着になって不思議ない。なら、多少衰えたとはいえ、現在のデキなら乗り切れる可能性が高い。
母の父はリヴリア。こんな要素に頼っては苦しい気はするが、その母は1970年生まれの女傑ダリア。GIを勝ちまくって2度も英年度代表馬になったうえ、数々のGIを制した牝馬とすればどこへでも出かけて行き、6歳まで走って47戦15勝。後半には動物虐待ではないかと非難されたといわれる。ところが繁殖牝馬となっても、リヴリアなどビッグレースの勝ち馬を次々に送っている。ひ孫のダンスインザモアにも、爪の垢ではまずいが、タフネスぶりが少しぐらいは受け継がれているはずである。
前述のエーシンフォワード、レッドスパーダのほか、レジネッタ、バトルバニヤン、8枠の2頭にも手を広げたい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。