目黒記念

2002年05月17日(金) 11:45

 4月の春の天皇賞がわずか11頭立てだったように、現在のサラブレッドの世界は、長距離向きのスタミナを持った馬が非常に少なくなっている。これは世界的な傾向で、またいつか長距離でこそ真価発揮のステイヤーが見直される時代がくるかもしれないが、とりあえずは、この2500m前後ならフルに能力を生かせる中〜長距離馬を探すのがポイント。

 東京の長丁場は、たとえスローペースといえどもスタミナの裏付けのない馬は苦しく、ふだんの1600m〜2000m級のレースとは大きく勢力図が変わることは知られている。かつて秋の天皇賞が3200mで行われていたころ、みんなの考える距離適性は大きくちがっていて、1番人気馬が18連敗もしたことがあった。

 必ずしもステイヤーとはいえないものの、ジャパンCや有馬記念、そしてダービーを制したトウカイテイオーの半弟になるのが、5歳トウカイオーザ。昨秋のG2・アルゼンチン共和国杯を制した当時はズブく、追走にかなり苦労しながら、それでも2分32秒0の好時計で勝ったあたり、スタミナはある。

 前走は以前より少し早めに動けるようになったあたり、ようやく本格化とみて良く、もしここを勝てるようならトップクラスの仲間入りし、兄と同じようにジャパンCに挑戦することも可能になり、なおかつ有馬記念も見えてくることになる。

 スタミナ型という意味では、アクティブバイオ(父オペラハウス)も注目の1頭。まだ格は下でも、今回の56キロなら有力馬に入ると考えていいだろう。

 まったく無名なところでは、タニノエタニティが大きく変わってくる可能性がある。現3歳のダービー候補タニノギムレットといとこの間柄になり、父はラムタラ。ラムタラの産駒はこれまで期待ほどでもないが、長距離タイプに大物が出現する可能性は残されている。快走があるかもしれない。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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