小倉大賞典

2010年02月05日(金) 23:00

 ローカル重賞の扱いになる小倉大賞典は、今年は中京で行われるものの、レースの特徴はそう大きくは変わらない。中央場所とはちょっと違って、相手弱化を見込んでのベテラン組が多い。6歳以上馬が9頭もいて、うち4頭が8歳以上。

 先週の3つの重賞はすべて「4歳馬」が制したように、ベテランホースの大活躍は一息ついた印象がある。しかし、このレースは最近10年間、勝った4歳馬はたった1頭だけ。07年には9歳アサカディフィートが10番人気で快走し、さすがにもう苦しいだろうと思われた翌年、10歳になったアサカディフィートは再び勝っている。パターン通りベテランホース向きハンデ戦なのである。

 8歳ダンスインザモアをもう一度狙いたい。確実に体調アップを感じさせた前回、中山のマイル戦とあって前半置かれてしまったが、メンバー中最速の上がり3F34.9秒で突っ込み、差は0.5秒。勝ったのは先週の東京新聞杯を快勝したレッドスパーダだから、少しズブくなった最近では1600mが忙しすぎたことも考え合わせると、決して悪い内容ではない。

 今回の1800mはもともとベストに近く、この中京にも1分46秒6で「中日新聞杯」2着の記録がある(もう4年以上も前のことだけど)。

 コースは合っている。ハンデは2kg減の55。デキはいい。幸い飛ばしそうな馬が2〜3頭いるから、歓迎したくないスローペースはない。母の父リヴリアはタフに41戦もしたG1・3勝馬だが、その母ダリアはさらに息の長い活躍を示し、「まだ引退しないのか?」などといわれながら、48戦15勝(うちG1を10勝)。各国を転戦した伝説の名牝である。能力はともかく、タフで丈夫という点で少しはその血を引いているだろう。

 絶好の追い切りをこなしたリトルアマポーラは、快勝した前回の「愛知杯」より軽くなって56kg。引き続き中舘騎手。今度は巧みに少し控えて追い込んできそうだ。

 休み明けにはなるが、仕上がり不安なしの上がり馬マイネルスターリー。同じく休み明けでも脚質に幅のありそうなテイエムアンコール、好位差しのナリタクリスタルが相手本線だが、展開は不利でもデキの良さが魅力のオースミスパークも少し押さえたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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