金鯱賞

2002年05月24日(金) 11:57

 5月のこの時期に移ってから、はっきり宝塚記念(今年は6月23日)のステップレースの色彩が濃くなった。マンハッタンカフェには出走の予定はないが、ジャングルポケット、サンライズペガサス、テイエムオーシャンなど、今年は比較的、宝塚記念を展望する馬が多く、このグループが加わるとかなり宝塚記念が面白くなりそうだ。

 ちょっと長いスランプや、ブランクが続いたが、5歳エアシャカールにはここで復活の手応えを確かなものにして欲しい。前走の大阪杯、9ヶ月ぶりの一戦で59キロ。ちょっと余裕残しの馬体だったが、さすがに2冠馬という底力を見せた。この5歳世代は、アグネスデジタル、エイシンプレストンを別にすると、どうも全体の層の薄い世代で、早くから現4歳世代に押されているが、エアシャカールの場合は、菊花賞のあと強気に挑戦したジャパンCでガタッときたのが長い低迷の原因。決してレベルが低いわけでもない。

 またエアシャカールの場合、3000mの菊花賞こそ制しているが、ステイヤーではなく、今回の2000m前後こそベストの本質スピード型だろう。小回り中京はやや心配だが、今シーズンの体調はいい。今年は、5着にとどまった昨年の宝塚記念を上回る状態に持っていけそうだ。菊花賞でエアシャカールの2着だったトーホウシデンも、少しずつ立ち直りつつある。体も戻ってきた。

 上昇中の4歳世代での注目馬は、一気にオープンまで出世してきたツルマルボーイ。やっと期待馬が本格化した形だ。3走前、この中京2000mを1分59秒4(上がり35秒1)で圧勝している。前走、不得手と思える渋馬場でも勝った。別定57キロのここで好勝負ならこちらも宝塚記念が視野に入ってくる。

 アドマイヤカイザーもこの2000m前後なら秘める能力はトップクラスと差はない

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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