2002年05月31日(金) 12:01
かつてG3のダート重賞などというと評価は低かったが、いま時代は変わり、ダート競馬の評価がどんどん高くなっている。
それも当然、かつてはヨーロッパ型の芝のレースが世界の断然のトップだったが、いま世界チャンピオンは、米のBCクラシックやドバイWCを制するダート巧者といっても言いすぎではない。芝では凱旋門賞が頂点になるが、英ダービーを中心に、芝の2400m前後のレースの評価は驚くほど低くなりつつある。
求められる真のチャンピオンは、芝もOK、ダートも文句なし。クロフネやアグネスデジタル型に移っている。
ここはダート5勝のインタータイヨウが人気の中心で、また同じ55キロならまず崩れそうにないが、最大の注目馬は芝で2戦2勝のミッドタウン。新馬を鋭く伸びて快勝のあと、格上がりになった前走もまだ余力十分のストライドで上がり33.9秒。秘める資質Aランクをみせつけた。
今度は格上がりのオープンで、初めてのダート、左回りも初。死角は大きいが、直前、北のダートコースで追って、ダートにもまったく不安のないストライドだった。
父ディンヒル(その父ダンツィヒ)の産駒はたしかに芝向きのスピード型が多いが、関西のタマモルビーキング、また昨年の安田記念2着のブレイクタイムなど、母方にダート巧者の血が流れていれば、決してダートを苦にすることはない。ミッドタウンの場合、母方にアメリカのダート血脈の血が濃く、まず心配ないだろう。
もう芝ではA級の素質を秘めることを示しているが、これでダートも実際にOKとなれば、第2のアグネスデジタル型に育つ可能性が大きくなる。
NHKマイルCで不利のあったサードニックスも、芝もダートもOKの成長株だ。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。