2010年02月26日(金) 13:00
もう「皐月賞」まで1か月半。ここは1600mのステップレースなので、クラシックを展望する馬にとっては主流路線ではないが、過去10年、このGIIIを勝って春のクラシックに結びつけた馬に、02年タニノギムレット(春の2冠で3着、1着)と、01年ダンツフレーム(春の2冠で共に2着)がいる。すでにトップグループは1800〜2000mの重賞で好走しているから、追いつくにはここはきっちり勝ち切り、さらに奥行きと成長力を感じさせることが求められる。
2戦2勝。人気の中心だが、まだ上昇の見込めるザタイキにもっとも可能性がある。前回の京都1600mは1分34秒9。とくに目立たないが、前半1000m通過60.4秒のスローだったため。これを好位でなだめながら追走すると「11.8-11.4-11.3=34.5秒」という尻上がりのラップが刻まれた後半、一気に抜け出してみせた。鋭く切れたというより、力でねじ伏せた印象のストライドが光った。
父アグネスタキオンのファミリーはもう母子3代連続クラシック馬に輝く日本を代表する「クラシック一族」。母フローラルレディ(父トニービン)は、03年の「牝馬3冠」を達成したスティルインラブの半姉。父母両系ともに典型的なクラシックファミリーの出身である。良血馬にありがちな線の細さを感じさせると信頼性は乏しいが、重心を低くして伸びるフットワークは迫力十分。パワーを備えている。
目下、トレーナーランキング首位の藤原英昭厩舎は、エイシンフラッシュ(京成杯)、ネオヴァンドーム(きさらぎ賞)を送っているが、このザタイキで3頭目のクラシック候補をかかえることになりそうである。
ひと息入れて立て直してきたニシノメイゲツが相手筆頭。朝日杯FSは外枠16番の不利があまりに大きかった。終始外を回って1分34秒7の5着なら悪くない。小差4着だったガルボは続く「シンザン記念」を3馬身差で楽勝している。マイル戦の勢力図では、朝日杯FS上位組のレベルはGIのランク通りに考えていい。
フラガラッハ(父デュランダル)は初の1600mだが、むしろこの距離のほうが切れ味の生きる公算大。連穴にはともにダート2勝だが、少し渋り気味の芝を考慮して、ペガサスヒルズとマカニビスティー(サクセスブロッケンのいとこ)を押さえたい。
バックナンバーを見る
このコラムをお気に入り登録する
お気に入り登録済み
お気に入りコラム登録完了
柏木集保「土曜メインレース展望」をお気に入り登録しました。
戻る
※コラム公開をいち早くお知らせします。※マイページ、メール、プッシュに対応。
柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。