チューリップ賞

2010年03月05日(金) 16:50

 ステップレースの選択パターンが多様化し、以前ほどは「有力馬」がこの本番と同じ条件の阪神1600mに集中しなくなっている。だが、最近10年間の桜花賞で馬券に関係した30頭のうち、約3分の1の「11頭」までがチューリップ賞組。2番目に多い次週の「フィリーズレビュー」1400m組の5頭を大きく上回っている。

 目下のところ候補No.1と考えられているアパパネ。同馬の制した阪神JFの小差3着ベストクルーズ。エルフィンS(昨年の勝ち馬は今朝早くドバイで快走したレッドディザイア)からは、1〜2着馬がそろって出走する。ごくふつうに考え、例年のパターン通り、ここから桜花賞で1〜3着する馬が少なくとも1頭はいるはずである。

 再び栗東に滞在し、ここから本番を目指すアパパネ(父キングカメハメハ)。予定通りの充電期間をとり、ひと回り大きくなった印象がある。とくに大きな死角はないが、今回はさすがに動きの鋭さ一歩。余裕残しの体つきに見える。それも当然。本番までちょうど1か月。ここはチャンピオンらしいレースをしなければならないが、といって万全の仕上げでもない。アパパネの課題は、いかにして桜花賞に向けてピークの体調に持って行くかだけといっていい。

 現在の状態の良さで、あるいはなんとかここで桜花賞の出走権を手にしたい伏兵にも付け入る隙がありそうだ。絶好の気配を示すワイルドラズベリー(父ファルブラヴ)を狙いたい。ポイントレースのひとつ「紅梅S」は着差以上の完勝。抜け出すのを待って最後の1Fを11.6秒。余力さえ感じさせた。休み明けの「白菊賞」18頭立てでは、道中はじかれながら1分34秒4で突っ込んで2着したくらいだから1600mはOK。母は07年のオークス・2着ベッラレイアの半姉。この時期に急速に力をつけるタイプといえる。少し渋った程度の馬場ならむしろパンチ力が生きる可能性が高まる。

 もちろんアパパネが強敵。ついで前回の勝ち方に勝負強さを感じさせたオウケンサクラ。これは渋った馬場なら一段と秘めるパワーが生きるだろう。オメガブルーハワイまでが相手の本線。以下の人気馬が連の押さえ。

■編集部より
筆者都合のため、来週3/12更新分は休載させていただきます。次回の更新は3/19を予定しております。何卒ご了承ください。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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