2010年03月26日(金) 19:00
約10か月の長い休養を経て、昨年のダービー馬ロジユニヴァースが登場する。初秋にも、ジャパンCで復帰の予定もあったが、筋肉痛などで大事をとって回避。「ダービー馬」の名誉を守るため、ほぼ満足できる状態になるまで長い時間を待った。ダービーを制して頂点を極めることにより、逆に失うものもあるのは歴代のダービー馬が伝える通り。ここまで待ったのは我慢の英断だろう。復活に期待したい。
ただ、今回ぜひ馬券を買いたいのは確実に立ち直っている7歳ネヴァブション。もう3年も前になる4歳時のこのレースを「2分31秒8」。歴代3位の時計で快勝している。当時はまさに上がり馬の典型だったが、挑戦した天皇賞・春で挫折(おそらくレース中に骨折)したのが不運の始まり。そのあとまた骨折して11か月休養。立ち直りかけた昨年も捻挫で7か月休養するなど、この3年間にたった12戦しただけ。しかし、9歳エアシェイディでさえ「この秋こそは…」の伊藤正徳厩舎の所属馬だから、決して無理はしていない。大事に復調を待っていた。前回の「AJCC」は横山典弘騎手の巧みな騎乗もあっての重賞制覇だが、まだまだ完調には遠い状態。ところが、この中間の気配・動きともに前回とは比較にならないほど良化。ほぼ復活なったとしていいだろう。
中山2500mは過去3勝。父マーベラスサンデーは有馬記念を連続2着したぐらいで、その特徴を受け継いでいる。母の父はミルリーフ。そのミルリーフが制した凱旋門賞の2着馬ピストルパッカーが3代母という牝系は、欧州型の典型で少し時計を要するくらいの2500mこそベストに近いだろう。展開は読みにくいが、先行のロジユニヴァースをマークできる形になりそうに思える。
当然、ロジユニヴァースが強敵だが、もう1頭ここで買いたいのは上がり馬の5歳トリビュートソング(父グラスワンダーは中山2500mの有馬記念2連勝)。スクリーンヒーローなどと同じくダイナアクトレスの孫になり、前回の圧勝したレース内容からここでも十分通用して不思議ない。距離が合わないわけがないトーセンクラウン(父オペラハウス、祖母はサンデーサイレンスの全妹)、菊花賞3着のナムラクレセントも連の相手に有力。エアシェイディと、マイネルキッツが押さえ。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。