ダービーウィーク完全制覇プラン

2010年04月10日(土) 12:00

 いよいよ春のクラシックシーズンがスタートします。たぶん、アッと言う間にオークス、日本ダービーを迎えちゃうんでしょうね。

 さてさて、今年も地方競馬では、全国各地で“ダービー”を集中開催する「ダービーウィーク」が実施されます。その概要はこちらにあるとおりですが、すべてのダービーを鉄道を利用して観戦するとしたら、どういう旅程になるでしょうか。以前、「青春18きっぷで行く新潟競馬観戦ツアー」をご紹介したのに続き、今回は「2010ダービーウィーク観戦ツアープラン」のご案内です。

 各競馬場のレース発走時刻はまだ正式に発表されていないので、去年のスケジュールをもとにしました。原則として、“ダービー”開催日の各場第1レースから観戦しますが、“ダービー”が終わったら最終レースを待たずに競馬場を出発してもOKとします。そうしないと、最寄り駅から乗らなければならない列車に間に合わないところがあるからです。では、出発進行!

 まずは5月30日(日)、朝10時半までに佐賀競馬場に集合してください。11時に第1レースがスタートします。九州ダービー栄城賞は最終レース、16時50分の発走です。これを見たら、競馬場前17時23分発の西鉄バス・鳥栖駅前行きに乗ります。かなり渋滞する道を走るのですが、たぶん、鳥栖18時14分発の特急・有明26号には間に合うでしょう。これに乗れば18時35分に博多着。18時54分発ののぞみ66号に乗り換え、23時45分東京着。東京駅周辺、または神田駅あたりのホテルに泊まります。

 31日(月)は盛岡競馬場で岩手ダービー・ダイヤモンドC。東京7時36分発のはやて3号で盛岡へ向かいます。盛岡着は10時02分ですから、11時45分発走の第1レースには余裕で間に合うはずです。岩手ダービーは17時05分の発走で、その後に最終レースがあります。ここは、最終までゆっくり楽しみましょう。競馬が終わったら市内に戻り、焼肉と冷麺の晩飯を食べて、盛岡20時26分発のはやて29号に乗車。20時59分に八戸着。21時18分発の特急・つがる29号に乗り継ぎ、22時18分青森着。さらに22時42分発の急行・はまなすに乗り換えます。この日は車中泊です。

 明けて6月1日(火)。急行・はまなすは6時07分に札幌に着きます。この日は門別競馬場で北海優駿。門別競馬はナイター開催で、第1レースのスタートは15時ちょうどです。まだ時間がありますね。夜行列車でひと晩過ごした後ですから、駅近くのサウナに立ち寄って朝風呂と昼寝で疲れを癒したいところ。ですが、門別競馬場の最寄り駅、日高本線の富川を通る列車は1日7〜8本しかありません。第1レースに間に合わせるためには、札幌9時19分発の特急・北斗8号に乗らなければならないんです。まぁ朝風呂と朝食ぐらいならOKかもしれません。で、北斗8号は10時03分に苫小牧着。10時17分の日高本線様似行きに乗り換え、11時01分富川着。第1レースまでの4時間近くはテキトーにつぶして、競馬場に向かってください。駅から競馬場までの交通機関はタクシーだけ、所要時間は5分ほどです。でも4時間もあれば、歩いても間に合いますね。ゆっくり歩いても1時間ちょっとで着くと思いますよ。

 北海優駿は最終レースの1つ前、20時ちょうどの発走。これを見る前に、帰りのタクシーを呼んでおきましょう。富川20時46分発の苫小牧行き最終列車に乗り遅れるわけにはいかないからです。これに乗ると、21時27分苫小牧着。23時04発の急行・はまなすに乗り換えます。そう、前夜もお世話になった同じ列車の“折り返し”です。二夜連続の車中泊。でも、そうしないと翌日の大井競馬第1レースに間に合いません。頑張りましょう!

 2日(水)は早朝5時39分に青森着。5時52分発の特急・つがる2号に乗り継ぎ、6時48分八戸着。6時55分発のはやて2号で、9時51分に東京着です。大井競馬第1レースは14時35分発走。そこで今度は、競馬場に近い平和島クアハウスあたりでひと休みましょう。東京からは山手線か京浜東北線で品川へ。そこから京浜急行に乗り、大森海岸で降りれば無料送迎バスがあります。クアハウスから競馬場へは歩いて10分ほど。14時頃までに競馬場に着くようにしてください。この日は東京ダービーで、20時10分に発走します。その後の最終レースまで見届けて、品川駅周辺に泊まります。

 3日(木)は姫路競馬場へ。品川6時57分発ののぞみ7号が9時59分に姫路に着きます。駅前から出ている無料送迎バスに乗れば、11時10分発走の第1レースに間に合うでしょう。兵庫ダービーは最終レース、16時25分のスタート。帰りのバスはけっこう早く出発してしまうので、馬券が当たって払い戻す場合は要注意です。ただし、乗り遅れても路線バスがありますからご心配なく。どんなに時間がかかっても、姫路17時57分発の山陽本線新快速・長浜行きには乗れると思います。ここまでかなりの旅費を使っていますから、少しでも節約するために、ここからは乗車券だけで乗れる列車を乗り継ぐことにしましょう。この列車で行くと、20時23分米原着。20時31分発の大垣行きに乗り換え、21時05分大垣着。21時09分発の新快速・豊橋行きへと乗り継げば、21時41分名古屋着です。もちろん、馬券で大儲けしていたら新幹線。姫路17時59分発のひかり484号で19時32分名古屋着でラクラク移動できます。

 ここまで来れば、4日(金)10時50分発走の名古屋競馬第1レースには楽勝で間に合います。最終レースの東海ダービーまで存分にお楽しみください。これで日本列島1往復半、6日間にわたる「ダービーウィーク観戦ツアー」も、めでたく完結です。お疲れ様でした!

 ところで、「ダービーウィーク」には組み込まれていませんが、去年の例で言うと、東海ダービーの翌々日にばんえい帯広競馬場でとかちダービーが行われました。今年も同じスケジュールになるなら、ついでにこれも観戦しちゃいましょう。とかちダービー当日のばんえい帯広競馬は11時20分に第1レースがスタートします。まずは4日の東海ダービーを見終わった後、翌5日(土)の東京17時56分発はやて229号に乗れるよう、東京駅に来てください。ちなみに、東京競馬のメインレースが終わってからでも、京王線とJR中央線を乗り継げば間に合います。で、はやて229号で八戸へ。20時59分着です。あとは、31日の岩手ダービーの後のスケジュールを再びたどり、特急・つがる29号と急行・はまなすを乗り継ぎ、6日(日)の朝5時24分に南千歳着。2時間ほど待って、7時33分発の特急・スーパーおおぞら1号に乗り換えると、9時19分に帯広に到着できます。ただし、朝の南千歳駅にはほとんど何もないはずなので、この朝の食料は前日のうちに仕入れておいたほうがいいでしょう。どうです、カンペキでしょう?

 さぁ、あとは誰がこのプランを実践するか。そりゃぁもう、井上オークスさんしかいないでしょう。ぜひ試してもらいたいですね!(なんちゃって)。

 おしまいに、いつもながらのお知らせですが、私の桜花賞予想は「矢野吉彦の競馬日記」でご披露しています。今回は混戦、波乱含みと見ているんですけど…。では、また来週!

地方、ばんえい、さらには海外にも精通する矢野吉彦のJRA・GI予想は「矢野吉彦の競馬日記」へ

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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