去年の皐月賞直前、当コラムに「春のGIは“車名馬”が来るかも」という話を書きました。みなさん、覚えてますか?

　先週の桜花賞を前に、その話の“ネタもと”で、元「ウイニング競馬」制作スタッフのY氏からメールが届きました。そこには、「今年は、まず“都市名”がキーワードかもしれない。それと、アルファベットの一文字がそのまま馬名の“頭”に付いている馬も要注意」というようなことが書かれていました。

　もうちょっと詳しくご紹介しましょう。まず“都市名”説。フェブラリーSの1着はエスポワールシチー、2着はテスタマッタで、シチー(＝シティ)が優勝、タマ(多摩市＝東京)がそれに続きました。高松宮記念はキンシャサノキセキ。キンシャサは、そう、アフリカ・コンゴの首都です。なので、桜花賞は、オウケンサクラ(佐倉市＝千葉、さくら＝栃木)、シンメイフジ(富士市＝静岡)が狙い目でしょう、というんです。私は、だったらアニメイトバイオ(鳥羽市＝三重)もいるぞ、と思ったんですけど、これは“飛ばし”だったんですかね。

　次に“アルファベットで始まる馬名”説。フェブラリーSの1着がエスポワールシチー、高松宮記念の2着がビービーガルダン、3着がエーシンフォワード。S、B、Aが来ています。そこで桜花賞は、エーシンリターンズ、オウケンサクラあたりか、とのことでした。もう1頭、ワイルドラズベリーもいましたけどね。

　で、結果は、ご存知のとおり。どちらの説でも候補になっていたオウケンサクラが2着で、アルファベットが頭に付いているエーシンリターンズが3着。桜花賞は、サイン馬券炸裂だったわけです。そうそう、勝ったアパパネには蛯名騎手が乗っていましたね。蛯名→エビナ→海老名市(＝神奈川)。優勝馬の“都市名サイン”は騎手に出ていた、とも言えます。

　それじゃぁ皐月賞は?“都市名”で言えば、当然ながらヴィクトワールピサは外せません。テス多摩ッタ、キンシャサノキセキ、オウケン佐倉orさくらで、日本と海外が交互に来ていますから、今回は海外の番。もうこの馬で堅いはずです。あとはサンディエゴシチー。なんと、そのものズバリの“都市名馬”じゃないですか。でもこちらは、サイン馬券じゃなければ買う材料がなさそうな馬です。この馬が来たら、Y氏には何かおごってもらえそうですが(去年は、Y氏が“車名馬”馬券を次々にヒットさせたおかげで、新宿の某ホテルでたいへん高価な寿司をおごってもらいました!)。

　そうそう、ヒルノダムール(野田市＝千葉)なんていうのもいますよ。本来なら「シティ」としなければならないのが「シチー」でもOKだとすれば、ネオヴァンドームはいかがですか。茨城県に板東市がありますからね。ひょっとしたら、ほかにもわれわれの知らない外国の都市名が隠れている馬がいるかもしれませんが、取りあえずそんなところですか。

　桜花賞同様、騎手の“都市名”も通用するとすれば、エビナをはじめ、コマキ(小牧市＝愛知)、カツウラ(勝浦市＝千葉)、イワタ(磐田市＝静岡)、フジオカ(藤岡市＝群馬)あたりが狙い目です。ヴィクトワールピサは馬にも騎手にも“都市名”、ローズキングダムも騎手に“都市名”ですから、これはますます堅いレースに思えてきました。ムムッ、サンディエゴシチーはハマナカ騎手ですが、北海道に浜中町というところがあります。町じゃダメですか?もしOKなら、断然の大穴候補です。

　一方、“アルファベットで始まる馬名”は、エイシンフラッシュとエイシンアポロンの2頭だけ。高松宮記念と桜花賞で来たのはエーシン(馬主＝株・栄進堂)でしたが、エイシン(馬主＝平井豊光氏)でもいいでしょう。この2頭は、実績で見ても穴馬候補に挙げられる馬ですから、サインで買うなら押さえておいたほうがよさそうです。

　Y氏からのメールには、「桜花賞が終わったら公開してもいいですよ」と書かれていました。なにしろこういうサイン馬券は、人に教えた途端に当たらなくなるっていうことがよくありますからね。

　でも実は、先週7日、FM　PORT(新潟のFMラジオ局)の番組「モーニングゲート」の中にある「スポーツエクスプレス」というコーナー(月・水曜日を私が担当しています)で、このネタを披露しちゃったんです。にもかかわらず、桜花賞がほぼ的中と言ってもいい結果になったからには、このコラムにも書かないわけにはいきません。みなさん、この“サイン”をどうぞご自由にお使いください。

　まぁ、こういう話が書けるのも今のうち。このサインが通用しなくなったら、Y氏にはまた別のサインを見破ってもらいましょう。とにもかくにも、そういう話をするのが楽しいGIシーズン本番を迎えました。おいしい馬券を当てたいものです。では、また来週!

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