さくらんぼ特別

2002年06月21日(金) 12:19

 今季の福島の芝は時計が速くない。見た目にはもっと快時計が出そうだが、昨年より1200mでも1秒前後は時計がかかっている。したがって、必ずしも先行馬有利ともならず、ちょっとペースがきつくなると追い込み馬でも十分届く形が、第一週からすでに飛び出している。芝コンディションの変動が多いコース(さまざまな処理、修正が行われる)だけに、土曜の午前中など決まり手をチェックしながら、福島の芝に対するイメージを絶えず変化させたい。

 ユキノサンロイヤルは昨年の第一週、このクラスの同じ1800mを1分47秒5(上がり34秒6)で快勝している。東京の葉山特別を1分35秒そこそこの時計で、入着止まり(東京は不得手)の成績も昨年と同じだ。

 さらに今年も出走してきたチュウシングラが、1分47秒6で3着したのが昨年だが、2頭とも同じようなレースになるだろうか。

 ユキノサンロイヤルの今週の動きは実にスムーズで、馬体も細くない。完調に近い状態と見た。先行型が引っ張ってくれる速めの平均ペースも昨年とほぼ同じだろうから、再度福島1800mでシャープに伸びてくるはずだ。

 昨年の1分47秒2ほどは時計は速くならないが、上がりがかかる形は差すこの馬に理想の流れだろう。昨年はこのあと、不得手な左回りの新潟でも好走(1800mを連続して1分45秒台)したように、平坦コースには抜群の適性を持っている。

 ハンデ戦だけに相手は絞り切れないが、少し時計がかかると怖いのは53キロのタケデンオージだろう。前々走の新潟の勝ちっぷりならこのクラスでも通用する。

 もしこのレースが予測どおり1分48秒台(昨年の同条件は1分47秒2)だとすると、次週以降のレースはさらに少しずつ時計がかかることになりそうだ。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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