ダービーで3連単を獲る方法教えちゃいます

2010年05月29日(土) 00:00

 さぁ、いよいよ日本ダービーです。枠順決定後の出馬表を見て、あらためて豪華なメンバーだなぁ、と思っていたら、直前になってダノンシャンティが骨折で出走取り消し。NHKマイルC激走の反動らしいですが、最終追い切りも終えて、馬券の前売り発売も始まっての故障判明なんて。空前のメンバー構成になるところが、前代未聞の事態になってしまいました。

 さて、前回のコラムには、過去20年間のダービー馬と2着馬の関係について書きました。そこには、けっこうおもしろい傾向があったのですが、それだけでは馬連、馬単予想の参考にしかなりません。そこで今回は、3連複、3連単予想の参考になるよう、過去20年間の3着馬について書かせていただきます。

 実はこれ、来年のネタにするつもりでした。でも、それじゃあ不親切かな?と思ったもので、この際ですからご披露いたします(逆に、余計なお世話になっちゃいますか?)。データを元にした話なので、ダノンシャンティの取り消しには影響されません。

 まずは前回のおさらいから。過去20年間(1990〜2009年)の日本ダービーで、皐月賞馬の優勝(=パターンA)と皐月賞で負けた馬の優勝(=パターンB)は7回ずつ、皐月賞不出走馬の優勝(パターンC)は6回と、それぞれ拮抗しています。パターンAの2着馬は、7回中6回が皐月賞不出走馬。パターンBの2着馬は、7回中6回が皐月賞で負けた馬。パターンCの2着馬は、皐月賞で掲示板(5着以内)を外した馬と皐月賞不出走馬がほとんど。ひとまずこれを頭に入れておきましょう。

 では、日本ダービー3着馬の話。3つのパターンに関係なく、過去20年間のうち15回は、皐月賞出走馬が3着に来ています。ダービー優勝馬のうち14頭が皐月賞に出ていましたから、ほぼ同じ割合です。

 皐月賞出走→ダービー3着の15頭のうち、皐月賞馬が3着となったのは、93年のナリタタイシンと99年のテイエムオペラオーだけ。00年のエアシャカールが2着に来たのを最後に、皐月賞馬は2冠奪取できなければ2、3着にも来られない、という状況が続いています(01年のアグネスタキオン、08年のキャプテントゥーレ=ダービー不出走を含む)。

 2冠馬が現れないような年は、皐月賞と日本ダービーは別モノ、と考えたほうがいいのかもしれません。つまり、先のパターンBまたはCのどちらかになると考えたら、思い切ってヴィクトワールピサを馬券の対象から外しちゃったほうがいい、ってことです。今世紀に入ってからは(といってもまだ今年で10年目ですが)、この傾向が続いていますからね。

 それと、皐月賞出走→ダービー3着の15頭のうち5頭が、皐月賞とダービーの間に一度、レースに出走しています。もちろん、この5頭に上記の皐月賞馬は含まれていません。で、この5頭はすべて、皐月賞とダービーの間に出たレースでも負けています。こういう馬がここ2年続けて3着に来ているので要注意です。さらに、そういうケースでのダービー馬は、パターンBまたはCであることが多くなっています(5回中4回)。

 なので、皐月賞で負けた馬か、皐月賞未出走馬がダービー馬になる、と予想した場合は、3連複または3連単の3着には、レーヴドリアンかリルダヴァルをマークしておきましょう。

 ちなみに、皐月賞不出走馬が3着に来たとき(20回中5回)も、ダービーを制したのはパターンBまたはCの馬がほとんどでした(5回中4回)。パターンBとCの場合、とくに2着馬にも“多様な”馬が来ているパターンCの場合は、3連複と3連単は一筋縄ではいかないようです。

 一方、2冠馬が誕生するパターンAの場合、3着には皐月賞で負けてダービーに直行してきた馬が来る、という傾向が見受けられます。このケースは7回中5回ありました。そのうち4回は皐月賞2〜5着だった馬が来ています。先週も書いたように、パターンAの場合のダービー2着馬は、7頭中6頭が皐月賞不出走馬でした。この2つの傾向を合わせれば、ヴィクトワールピサが勝つと考えたときの3連単は買いやすくなりますね。2着に皐月賞不出走馬、3着に皐月賞2〜5着馬を買えばいいわけですから。

 だいぶ話がややこしくなってきましたか?それじゃあそろそろまとめに入りましょう。過去20年間の傾向から、当コラムがオススメするダービーの3連単(いずれもフォーメーション)の買い方は以下の通りです。

 A.1着ヴィクトワールピサ=皐月賞馬、2着〈ペルーサ+ルーラーシップ=皐月賞不出走馬〉、3着〈ヒルノダムール+エイシンフラッシュ+ローズキングダム+アリゼオ=皐月賞2〜5着でダービーに直行してきた馬〉(計8点)

 B.1、2着〈ヒルノダムール+エイシンフラッシュ+ローズキングダム+アリゼオ〉、3着〈1、2着候補4頭〉+〈ペルーサ+ルーラーシップ〉+〈レーヴドリアン+リルダヴァル+ゲシュタルト=皐月賞で負けて、その後もう1戦してきた馬〉(計84点)

 C.1着=〈ペルーサ+ルーラーシップ〉、2、3着=〈1着候補2頭〉+〈ヒルノダムール+エイシンフラッシュ+ローズキングダム+アリゼオ〉+〈レーヴドリアン+リルダヴァル+ゲシュタルト〉(計112点)

 あとはどのパターンにするかと、私が名前を挙げた馬の中から何頭かを削るか、他の馬を買い足すかを決めればいいだけ。とくにパターンCは買い目が多すぎるので、勝ち馬を1、2頭に絞ったほうがいいと思います。でも、“オーダーメイド”ではなく、“パターンメイド”で買えばいいわけですから、カンタンでしょう?

 問題は、私がここまで書いちゃったために、競馬の神様がスネられて、例外的パターンの結果をお示しになったとき(?)。例えば、1着=ヴィクトワールピサ、2着=ヒルノダムール+エイシンフラッシュ+ローズキングダム+アリゼオ、3着=ペルーサ+ルーラーシップ(皐月賞馬が勝って、2着に皐月賞で負けた馬、3着に皐月賞不出走馬が来る)とか、1着ペルーサ+ルーラーシップ、2着または3着=ヴィクトワールピサ(皐月賞不出走馬が勝って、2、3着に皐月賞馬が来る)といったケースは、過去20年にそれぞれ1〜2回くらいしかありませんでした。

 さらにいえば、ここ20年でダービー1〜3着馬の前走がすべて1着だったことは、04年に1着キングカメハメハ(NHKマイルC1着)、2着ハーツクライ(京都新聞杯1着)、3着ハイアーゲーム(青葉賞1着)となったときしか起きていないんです。このとき、皐月賞馬ダイワメジャーはダービー6着。3着以内に入れませんでした。

 それなら、究極の逆説的オススメ馬券は、1着ペルーサ+2着ヴィクトワールピサ、または1着ペルーサ+3着ヴィクトワールピサの2頭軸3連単で、ルーラーシップ+ゲシュタルトへ流すというもの。青葉賞の勝ち馬はまだダービーに勝っていませんし、皐月賞不出走馬が勝つときに2、3着に皐月賞馬が来ることはメッタになく、前走1着の馬が1〜3着になることも過去20年で1回しかなかったわけですからね。

 さぁ、材料は揃いました(?)。あとはみなさんで味付けして馬券を買ってください!どうか今回のコラムが、日曜日の更新早々にアクセスしていただいた方にとってのグッドアドバイスになりますように。では、また来週!

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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