2010年10月06日(水) 00:00 0
10月5日(火)、今年三回目となるホッカイドウ競馬応援ビアパーティーが、場外馬券発売所「Aiba浦河」に隣接する浦河ウェリントンホテルにて開催された。
これは、ホッカイドウ競馬の売り上げアップに少しでも貢献しようと、同ホテルや軽種馬関連団体、町内の商店会などが主催するパーティーで、毎回大きな盛り上がりとなる。
午後6時。チケットを購入して会場内へと入って行くと、すでに用意された席は8割方埋まっていた。
チケットは前売りで1枚1000円。当日売りは1200円である。写真のように、通し番号と1200円分の食券が付いている。
会場の一角には、てんぷら、たこ焼き、焼きそば、お寿司などのブースが並んでおり、この食券を使用してそれらのメニューと交換する仕組みだ。もちろんビアパーティーなので生ビールもある。
会場はびっしりとテーブルが並び、ホール内だけでは収まり切れずに、ロビーまで使っての超満員状態であった。
レースとオッズは、会場の壁面を利用して映し出される。ただし馬券は、会場を出て駐車場を進み、Aiba浦河まで行かなければならない。
Aiba浦河は、いわゆるミニ場外として開設された発売所で、当然のことながら狭い。いつもならば、限られた常連客でほとんど一杯だが、この日だけは隣のホテルから大勢の客がレース毎に押し寄せてきて発売機の前に列を作る。
馬券を購入した後は会場に戻り、飲食を楽しみながらのレース観戦である。ただし、チケット1枚では、ビール1杯(500円)と他に何かつまみ代わりに2品も買えばそれで1200円を使い切ってしまう。やむなく追加でチケットを買う羽目になり、それはそれで結構な出費だ。
アルコールが入った状態でレースを見ていると、自然とボルテージが上がる。ゴール前では場内から割れんばかりの歓声が上がり、賑やかなことこの上ない。
会場にはホッカイドウ競馬でパドック解説を担当する古谷剛彦氏が来場し、レース毎にボードを使って予想を行った。またホッカイドウ競馬のマスコットである「ホクトくん」も姿を見せた。とはいえ会場内に子供の姿は皆無で、個人的にはホクトくん来場の目的が今ひとつ理解できなかったのだが…。
会場につめかけた人々は約400人。ただし、見たところ、日高振興局(旧・日高支庁)や浦河町役場、日高軽種馬農協、ひだか東農協などの職員の姿が目に付き、予めこのビアパーティーに組織的に「動員」されたのではないかとも思える。
お役所や関連団体の名前ばかりがテーブルに並んでおり、やや違和感を禁じえなかった。
相対的に生産牧場や育成牧場の関係者は少なかった。見かける顔はほとんどJAやHBAの役員だったり町会議員だったり、言うならば「肩書きのある人」である。純粋に馬券を買う目的で参加した業界人はどれくらいいたのだろうか。
最終レースが終わると、チケットの通し番号を使っての「お楽しみ抽選会」で締めくくった。約40人に地場産品や缶ビール、空気清浄機などが当たる。因みに1等は22型液晶テレビ。これを引き当てたのも町役場の職員であった。いかに多くの職員が来場していたのかがこれで分かる。
この会場だけは、かなりの盛り上がりであった。しかし、この日の開催成績を見ると、門別競馬場本場の入場人員が407人、売り上げは9778万6800円である。
ホッカイドウ競馬の今開催は9月28日から始まっており、これで4日目となるものの、ほとんど1億円前後の数字で推移している。
もうちょっと上積みが欲しい。ホッカイドウ競馬の場外発売網は道内だけでも21か所に及ぶ。ほとんど道内全域を網羅しているにもかかわらず、それらすべてを合わせても1億に達しない現状では、やはり前途多難と言わざるを得ないのだが、実はここにきて中央と地方がともに更なる相互発売に踏み切る画期的な計画が水面下で進行しているという情報もある。来週はそのことに触れたい。
田中哲実
岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。