競馬は、実に後悔することが多い

2010年10月06日(水) 00:00

 競馬は、実に後悔することが多い。ああすればよかった、こうすればよかったと。だが、後悔したときこそ、その思いを大切にしなければならないと言う教えがある。時に後悔は、私たちを後押ししてくれる大きな力になるというのだ。分からないこともないが、それを確信したことはあまりないように思う。

 何を、どう後悔したか、はっきりしないのだ。

 競馬の場合は、だいたいが欲がからんでいるから、後悔といっても、普通ではないかもしれない。その都度、自分に都合のいい考え方をしていく。後悔するというより、知恵を働かせているのだ。

 ああすればよかったと反省して、よし今度はこうしてやるぞと考え方を切り換える。その臨機応変が楽しい。如何に変わり身を早くするかだ。ただ人によって違うかもしれないが、自分の主義みたいなものがあって、案外これが正しいとも言えることが多いようにも思える。後悔して反省したとき、この自分の主義に立ち戻るのだ。そして、やはりこれでよかったと思えるのだ。

 言ってみれば、競馬ではいつも、堂々巡りをやっているようなものなのである。

 それならずっと自分の主義を押し通せばいいのにとなるが、それがなかなか難しい。

 その大敵が気の緩み。少しでもいいことが起こると、つい冒険をしてみたくなる。少しぐらいいいではないかと、自分を許す。その冒険がうまくいったことは、ほとんどないのに、ついやってみたくなる。それに、日頃から、その機会を伺っているようなところがあるから仕方がない。

 大レースが続くこの秋、今のうちに精一杯の反省をしておき、迷うことなく、自分のスタイルを守るぞという決意をした次第。後悔するより、うまくいったときの記憶を呼び起こし、それを自分のスタイルにすることから始めるのが、一番いいというのが結論。

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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