大接戦の末にさらなるドラマ

2010年10月16日(土) 00:00

 今週は秋のGI第2弾の秋華賞。オークスで優勝を分け合ったアパパネとサンテミリオンをはじめ、春の牝馬クラシックで上位を賑わせた馬たちがこぞって出走してきました。これはおもしろいレースになりそうです。

 さて、去年は「車名」、今年は「都市名」がキーワードと、2年続けて春のGIの“サイン”を知らせてきた元ウイニング競馬のスタッフY氏から、この秋はまだ音沙汰がありません。でも考えてみれば、スプリンターズSが終わったばかり。“サイン”発見にはもう少し時間がかかるでしょう。

 ところが、実は私、Y氏に教えられるまでもなく、すでに今秋のGIの“サイン”らしきものを見つけちゃったんです! その“サイン”が正しければ、秋華賞はアパパネが最有力。要注意はエーシンリターンズで、あとはサンテミリオン、ショウリュウムーン、アグネスワルツ、ベストクルーズ、コスモネモシン、ってことになるんですけど。

 そのワケは、今のところ言えません。べつにもったいぶっているわけではなく、ハッキリ言って恥ずかしいので…。もし秋華賞でこれが的中したら、菊花賞を予想した上で“サイン”をお知らせしましょう!(エッ、もう気付いちゃいましたか?)

 それはさておき、今年春のオークスがGIで初めての1着同着となったのをはじめとして、最近、そういう大接戦のGIを見ることが多いように思われませんか? 順にさかのぼれば(地方開催と障害を除く)、今年の高松宮記念、去年のジャパンC、菊花賞、スプリンターズS、オークス、08年の天皇賞・秋が、1、2着がハナ差の大接戦。ちょっと間があいて、07年のオークス、天皇賞・春、皐月賞もそうでした。

 先日のスプリンターズSは、ダッシャーゴーゴーの降着がなければ1、2着はハナ差で決まっていました。レッドディザイアとブエナビスタが馬体を併せてフィニッシュした後、ブエナビスタが降着となった去年の秋華賞も、やはり“幻”のハナ差決着。とはいえ、どちらもレースのクライマックスでは、ハナ差の大接戦を見ていたわけです。

 この2戦や今年のオークスを含めれば、去年と今年ここまでのGIでは、約4回に1回の割合でハナ差以内の大接戦が繰り広げられています。「最近、そういうGIが多い」と感じるのは気のせいではないでしょう。

 05年には、マイルチャンピオンシップ、ジャパンCダート、ジャパンCと、ハナ差決着のGIが3戦続いたこともありました。去年も秋華賞の降着がなければ、これを挟んでスプリンターズS、菊花賞と3戦続いていたことになります。

 とにもかくにも、同着があったり、ハナ差で決着したはずが一方の降着でそうならなかったりと、大接戦の末にさらなるドラマも生まれている最近のGIレース。今週はどういう決着になるでしょうか? では、また来週!

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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