2010年10月27日(水) 00:00
顔を見ればその人がわかる、この言葉はよく人の口にのぼる。人相がいいとか悪いとか言って、その顔立ちに気を使う。実際、それがどうなのか突きつめるまではしないのだが、人の考えの中にいつもあるのは確かだ。
一方、馬には馬相がある。馬相でわかる走る馬走らない馬といって、判断の材料にしているのだが、これまた突きつめて考えてはきていないような気がする。
ところが、競馬の先達からは、このようなことはよく聞かされてきた。
目つきの悪いのはよくない、目つきの悪いのは目壺の悪さによると。どのような目がいいのか、それは、鈴を張ったような目なのだと。確かにそういう目をした馬は、利口そうに見える。一見して下品な相、凛々しさのない顔はよくないと言うが、とにかく悪相は駄目だと聞かされてきた。
やはり、馬はよく見ないといけないとは承知しているのだが、どうもゆっくり下見所で馬を見る習慣がないのがいけないと反省するのだ。
先達から聞かされてきた言葉の中で、しっかり記憶されたものもある。
「名馬の尾沢山」という言葉だ。こういう馬は、尾のつけ根が太く、尾を持ち上げると強さを感じると言うのだ。そして、背中が丈夫であるという証しにもなるので、「名馬の尾沢山」を見つけようという気にもなっていたものだ。
実際に尾を持ち上げてみるなんてできるはずもないのだが、下見所でわかることもあると思ってきた。ここから考えると、つけ根の細いのは感心しないとなり、とにかく前後に歩く馬を比べてみるのがいい。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。