2011年01月15日(土) 00:00
1月も中旬に入り、年始の競馬は一段落。寒さも厳しく、どの競馬場も、何もしないでいては客足が遠のく季節を迎えました。
そういう時こそ“企画力”が勝負。地方競馬では、騎手を主役にしたイベントが次々に開催されます。
17日は高知競馬場で「全日本新人王争覇戦」。今回で25回目となる伝統の“新人戦”で、騎手免許取得から3年以内の若手ジョッキー10人が一堂に会し、フレッシュな戦いを繰り広げます。
25日は川崎競馬場で「佐々木竹見カップ・ジョッキーズグランプリ」。通算7,153勝の日本最多勝記録を持つ佐々木竹見さんの功績を讃えて創設された騎手招待レースで、こちらは今回で9回目。全国各地から招待される14人のジョッキーはいずれ劣らぬ腕達者ばかりで、今年も白熱の攻防が展開されそうです。
このほか、岩手・佐賀・荒尾に所属する騎手の対抗戦「M&K(=みちのく&九州)ジョッキーズカップ」が、15、16日に佐賀競馬場、20、21日に荒尾競馬場で開催。10人の選抜ジョッキーが、各日1レースずつ、計4戦の総合ポイントで優勝を争います。
というわけで、これからしばらくの間、地方競馬では“ジョッキーイベント”が目白押しです。でも、ちょっと気になることがあります。園田の「ゴールデンジョッキーカップ」はどうなったんでしょうか?
通算2000勝以上の実績を持つジョッキーだけを招待して行われる園田の名物イベント。1988年に創設され、地元兵庫に2000勝ジョッキーがいなくなって休止となっていたこともありましたが、ここ数年は2月中旬に行われてきました。
ところが、園田競馬の今年上半期の日程には、その開催予定日が書かれていないんです。開催時期を下半期に移したのか、それとも再び休止(あるいは取り止め)となってしまったのか。何となく心配です。
「ゴールデンジョッキーカップ」の楽しみのひとつが、吉田勝彦アナウンサーによる騎手紹介。吉田サンならではの語り口で出場騎手が1人ずつ紹介されるんですが、これが実に味わい深いんです。ご存知の方も多いと思います。
例えば、天性のスタージョッキーだったら明るく華やかに、また、苦労を積み重ねてきたベテランジョッキーだったら、ちょっとホロッとさせる一言を織り交ぜながら、といったふうに。そうそう、歌舞伎役者の襲名披露公演を見るような感じです。
「ゴールデンジョッキーカップ」が開催されなければ、この騎手紹介も見られなくなってしまうじゃないですか。園田の開催日程を見て、私と同じ心配をしているファンも少なくないはず。日程に載らなかったのは何らかの事情があるんでしょうが、今年下半期に例年どおり開催されることを祈ります。では、また来週。
※2011年のゴールデンジョッキーカップは2/22(火)に開催される予定です。
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。