2002年10月02日(水) 15:18
秋競馬に入っているとは言え、やはり中山が始まれば一段と新たな気分になれます。
新潟のスプリンターズSにビリーヴが勝って、目立つ牝馬を印象づけました。これで、ファインモーション、テイエムオーシャンが出てくるのですから、牝馬は元気です。むしろ、真打ちはこれから登場するので、G1の舞台で牡牝がしのぎを削るシーンが、何回か見られるでしょう。
それにしても、ビリーヴの勝利は見事でした。全8勝が1200mというスプリントのスペシャリスト。加えて、武豊騎手の狙いすました騎乗、久々に、心を動かされました。
本人は、本番を前に、どう戦うかをきっちり決めていたのでしょうか。いくら末脚が切れると言っても、あまり離されていては外を回って追い上げても届かないだろうからと言っていたようでした。ショウナンカンプの前半3ハロンのラップは33秒7、これは、高松宮記念の32秒9より遅く、この馬自体、直線に入っても楽であった筈です。ところが、追うアドマイヤコジーンも離されずについて行けるペースで、これはショウナンにとって逆につつかれてしまう結果になりました。
一方、ビリーヴは、前走のセントウルSでレコード勝ちしたときとほぼ同じラップ。折り合いに成長の伺える同馬にとり、これまた十二分に力を出せる流れでした。武豊騎手も「馬がしっかり走ってくれたので、馬をほめてやって下さい」と語っていて、自分は何もしなかったと述べていました。
ボコボコ馬場の内に入れて叩き出した力の勝利でしたが、ショウナンカンプがもっと素軽く走れていたら、どうなったか判断しかねるところもあったでしょう。この3着は、それなりの理由があったと思っています。2着アドマイヤコジーンは、1200mでの決め手の差で敗れたのですが、この馬は、元々マイル戦の方が合っているので、マイルCSに向け、視界は良好と言うべきでしょう。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。