2011年03月25日(金) 13:00
ミホノブルボンやナリタブライアンのころまで、スプリングSは3月末の3回中山1週目だった。したがって皐月賞と「中2週」だったから、1週間のズレは日程面ではそう大きな変更ではない。まして今回は「皐月賞」の順送りも発表されている。だが、このレースで「権利獲得」を狙っていた関東所属馬には、日程が変わったうえ、阪神まで遠征しなければならないのだから痛い。
プラス大と思えるのは西のリフトザウイングス(父ハーツクライ)。同じ橋口厩舎には他にコティリオン(日曜の毎日杯)もいるため、当初は中山1800mの「スプリングS」に出走する予定になっていた。どうみても不器用なリフトザウイングス、1週前のスプリングSなら人気倒れの危険大だったろう。朝日杯FSでは、距離うんぬんではなく外回りの中山でも器用な脚を使えなかったのが敗因のひとつだった。
ところが、1週延びて調整が進んだうえ(まだ完調とは思えないのだけれど)、中山まで遠征する必要のない地元の阪神に移って、距離は同じ1800m。コーナー2回の「外回り」である。本当に阪神向きかどうかはともかく、小回りでコーナー4回の中山よりは明らかに合っている。毎日杯なら、皐月賞に出走確定の賞金に達するためには「2着以内」が求められるが、スプリングSなら「3着以内」でもいい。したがって、強敵はこちらに多く集まったが、鞍上に課せられる使命は、多少なりとも(毎日杯より)気分的に楽なそれだろう。あまり皐月賞向きとは思えないが、展望はもっと大きく日本ダービーでもいい。
東のショウナンパルフェ(アグネスタキオン)には、遠征の小さな死角はあるが、この馬も器用ではない。追い出してエンジン全開までに時間がかかるようなところがある。阪神1800mに移ったプラスの方が大きいはずだ。
角居厩舎は毎日杯には出走せず、ここに2頭出し。リベルタス(賞金はもう足りている)と、なんとか権利を取りたいステラロッサ。とくに意味はないはずだが、前回は明らかにスパート遅れで脚を余したステラロッサを上位にとりたい。連穴に加えたいのは、共同通信杯の上がり3FがNo.1だった(33秒7)のダブルオーセブン。動きは前回よりいい。
バックナンバーを見る
このコラムをお気に入り登録する
お気に入り登録済み
お気に入りコラム登録完了
柏木集保「土曜メインレース展望」をお気に入り登録しました。
戻る
※コラム公開をいち早くお知らせします。※マイページ、メール、プッシュに対応。
柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。