ハーツクライも凄すぎる

先週の安田記念はリアルインパクトが勝利。種牡馬ディープインパクトの評価も『成功』で固まりつつある。これまで再三述べてきたように、ディープインパクトの種牡馬成績はまさに破格で、現時点ではサンデーサイレンスと比べても遜色が無い。

では、サンデーサイレンスがそうであったように、ディープインパクトの独裁政権が続くかと言えば、必ずしもそうではないと思う。
その理由がタイトルにもあるように、ライバル・ハーツクライの存在だ。
現時点ではディープインパクトには及ばないが、様々な数値を検討すると、ディープインパクトと同レベルか、それ以上の可能性を秘めている事が分かる。

下記は、安田記念週までの種牡馬成績だが

馬名/血統登録数/勝利数/出走1頭当たり賞金(万円)
アグネスタキオン/148頭/55勝/828万円
ディープインパクト/147頭/84勝/1281万円
ハーツクライ/79頭/41勝/901万円

なんと、重賞7勝した空前の当り年だったアグネスタキオンを上回り、サンデー並みの種牡馬成績を残しているディープと比べてもそれ程見劣る訳ではない。

さらに、付けられている繁殖牝馬を考えるとハーツクライの凄さが際立つ。
例によって、ハーツクライ産の血統登録数79頭のうち、初仔の6頭を除いた73頭について、一つ上の兄姉(1歳上ではない)と成績を比較した。

ハーツクライ1歳上の兄姉(73頭):16勝/勝率7.3%/重賞・OP勝無し
ハーツクライ(73頭)     :41勝/勝率12.8%/重賞1勝 OP3勝 G?2着1回

ハーツクライ産は社台率が高いので質が良いという議論もあるようだが、兄姉の成績を見る限り繁殖の質はかなり悲惨だったようだ。16勝、重賞・OP勝無しの繁殖牝馬からウインバリアシオンやツルマルレオン等を出したのは見事と言う他は無い。

現役時代同様、ディープの独走を止めるのはハーツクライ、となるかもしれない。