2011年05月06日(金) 18:00
昨年から、1着馬だけに「日本ダービー」の優先出走権が生じるように変更されたトライアル2000m。昨年はルーラーシップ(ダービー5着)だった。
あえて連闘のトーセンレーヴ。仮に連闘のここを必死で勝っても、ダービーに絶好調で出走できる可能性は少ないが、他馬よりはるかに、最初からクラシックを目指すべき立場にあったのだから、陣営、リスクは覚悟。この時期に急成長をみせるか、大変身を遂げるのが「クラシックタイプ」でもある。前回、脚があれば、もう少し反応が良ければ権利を取れた気もするが、最大の注目馬であることは間違いない。
公営=船橋の川島厩舎から挑戦してきた伏兵ダブルオーセブンに期待したい。前走は船橋所属だから、開催の中止にとどまらず、調教コースの液状化の影響もあった。そのうえ「スプリングS」の日程が変わったため、追い切り日を変更して急拠の阪神への遠征。オルフェーヴルの10着にとどまったが、いきなり予定外の阪神で1秒1差なら決して凡走でもない。注目は2走前の「共同通信杯」。超スローに位置取りが苦しくなったが、最後に猛然と伸びて勝ったナカヤマナイト(皐月賞5着)とわずか0秒3差。上がり「33秒7」はメンバー中のNO.1だった。
父ダイタクサージャンは、フジキセキなどと同じくサンデーサイレンスの初年度産駒。ビッグレースは勝っていないから今では無名にも近いが、大阪城Sなど6勝を記録している。もう3年前に種牡馬は引退。最初から産駒は少なかったが、最後の08年生まれはたった2頭だった。ダイタクサージャンの母スイートラブ(父テスコボーイ)は、ダイタクヘリオスの半姉になる「カブラヤオー」一族。ちょっと古くなった印象はまぬがれないものの、大駆けの血や、ここ一番向きの特徴は受け継いでいて不思議ない。
また、母マックスエイトは、カッティングエッジ、ダイナコスモスなどが代表するもとは社台グループの一族。無名のファミリーの出身馬ではない。
今回は共同通信杯と同じ東京コース。前回とはちがってビシビシ追い切れた。少なくとも共同通信杯で差がなかったディープサウンド、サトノオーあたりよりスケールは上と思える。トーセンレーヴも2400mからの予定外の連闘だけに付け入る隙は十分。強気に手広くいきたい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。