目黒記念

2011年05月27日(金) 18:00 20

 ハンデ戦だから、というだけでなく「東京コースの長距離戦」は難解な結果をもたらすのがずっと以前からの伝統。高知競馬に登場して元気な姿をみせた福永洋一騎手がヤマニンウェーブ(1972年)で勝ち、柴田政人騎手のプリテイキャスト(1985年)が逃げ切ったころの、かつての3200mの天皇賞(秋)のこと。それはそれは古いが、しかし、東京の長距離戦で人気薄の伏兵が台頭するのは今も変わらない。ステイヤータイプが少なくなったから、現在のほうがもっと波乱含みであって不思議ない。いつもの中距離戦からスタミナ能力を推測するしかなく、そして天皇賞(春)3200mで好走するなどスタミナを示した馬は、重いハンデになるから、やっぱり波乱をもたらすことになる。

 最近10年の目黒記念で3着までに入ったもっとも人気薄の馬を順に並べると…「13,12,15,16,7,12,6,3,17,9」番人気である。3連単、3連複はとくにむずかしい。

 土曜日は「大雨」の予報が出ている。多摩地区は木曜の夜にも降雨があったので、思われているよりさらに含水量の多い芝だろう。軽ハンデ「51kg」のベテラン8歳馬キングトップガン(父マヤノトップガン)を狙いたい。休み休みながらそれでも5歳春にはオープン入り。2008年の「目黒記念」を54kgでホクトスルタンの0秒7差6着に善戦している。ところが、そのあとまた故障の連続。2度も骨折休養があったからすっかり忘れられた馬になっていたが、8歳の今春、2走前は2400mのオープン特別で0.0秒差。前回のオープン特別2400mでも、前が詰まって明らかに脚を余しつつ0.2秒差。

 今回もハンデは51kg。先週、【4-3-1-7】と復調した横山典騎手(オークスもダービーも騎乗馬がいないので気を入れ直した)を頼んできた。51kgで騎乗するにはかなり減量が必要であることが想像される。それでも騎乗依頼を受け入れた。

 母方は、先週のホエールキャプチャ(3着にとどまったものの、考えていたよりはるかに強かった)と同じオーハヤブサの一族。母の父はマルゼンスキー。懐かしのパワー型チャイナロックの血も近いところに入っている。この血筋でベテラン8歳馬だけに、時計がかかった方がいいだろう。

 急上昇の4歳馬ハートビートソング(母の父トニービン)、天皇賞(春)でびっくりしたマカニビスティー(17番人気で4着)、デキの良さが光るシャイニータイガー、トレイルブレイザーあたりを本線に強気に攻めたい。

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

新着コラム

コラムを探す