オアシスS

2011年06月10日(金) 18:00 9

 ハンデ戦のオープン特別。G1級もいれば、オープンに入ってずっと苦戦の馬もいるため、上下「7.5kg」もの斤量差がついた。もちろん、このハンデが大きなポイントになること確実だが、それ以上に把握しにくいのが「ダート」コンディション。

 今週末の「雨」の予報は1週間も前から出ていたが、梅雨時の前線の移動だから、降水量の予測は時間とともにどんどん変化している。もともと今週は湿った状態なので、少しの雨量の追加があれば、非常に走りやすい「高速ダート」がありえる。

 少なくともいつもより「時計の速いダート」を考慮し、6歳オーロマイスター(父ゴールドアリュール)の巻き返しに期待したい。

 昨年の秋、盛岡競馬場の「南部杯ダート1600m」を大レコードの1分34秒8で圧勝。東京ダート1600m1分34秒6のコースレコードに「0秒2差」というより、事実上の日本レコードにも相当する快時計だった。エスポワールシチーを3馬身も離している。

 オーロマイスターがダートに方向転換したのはちょうど2年前(4歳時)のこの時期。1000万条件に低迷していたが、初ダートの東京1600mを「1分35秒5」の独走だった。芝の1600mに1分32秒9の時計をもっていたくらいだから、同じダートでも時計の速いコンディション向きの、ダートの快速タイプだったのである。

 ここのところやや不振とはいえ、3走前の阪神ダート1400mを「1分22秒2」。コースレコードと0秒4差。その際が今回と同じ58.5kgのハンデだから、最近の不振は体調や斤量もあるが、一番は時計の速いダートコンディションのコースやレースに恵まれなかったため、ともいえる。今回は調教でもいつも以上に動いている。この馬にとって理想に近いダートコンディションが今週だろう。

 一応、4歳のバーディバーディが強敵だが、こちらはどちらかといえばパワー型。南部杯の「1分36秒3」が1600mでの最高時計。オーロマイスターから1.5秒も離れた5着だった。怖いのは単騎の逃げになっても不思議ない上がり馬タイセイレジェンド。前回の1分36秒4はまだまだ短縮できる。1600万条件を3馬身差の独走、最後の1ハロンは12秒7。まだいっぱいではなかった。

 穴馬は、ダート1700mに1分42秒6があるシャア(父は安田記念のツルマルボーイ)と、1600mは初めてだが、案外こういう距離の方が合っていそうなピサノエミレーツ。タマモクリエイトと、ナムラタイタンが押さえ。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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