総武S

2011年06月17日(金) 18:00 7

 全体の出走頭数が少ないこともあって、先週までと比べると土曜日のメインはかなり寂しいメンバーの気もするが、レベルが低いわけではない。「夏競馬」はときに食指の動かないメインレースはあるが、各地で「2歳戦」も始まった。気を抜かないでいきたい。

 クラス再編成で、オープンから移動してきた4歳馬は、ニホンピロアワーズ、マイネルオベリスクの2頭。これを迎え撃つのがもともとこの1600万条件にいた5歳以上馬。ただ、オープンからの編入とはいえ、ここに出走の4歳馬2頭は、前回1600万条件を勝ったばかり。オープンで走っていたわけではない。

 2頭ともにまだ底を見せていない魅力にあふれるが、ここはキャリアに勝る5歳エイシンダッシュ(父ワイルドラッシュ)から入る。この馬、4歳前半までは500万条件で勝ちあぐねるレースを繰り返していたが、秋に500万下を圧勝すると、そのあと半年もの休養があったにもかかわらず、たちまち1000万条件も圧勝。さらには格上がりだった1600万特別でもいきなり「クビ差」2着。勝ったのが先週のオアシスS(オープン特別)を2着したシャア(父ツルマルボーイ)だから、レースレベルは高かった。古馬になり急速にパワーアップしている。

 父ワイルドラッシュも日本へきた当初は、高い評価のわりになかなか大物を送れないでいたが、いまはトランセンドの父であり、公営の二冠牝馬クラーベセクレタ、クリールパッションなどを送り、ダート界のチャンピオンサイアー級になりつつある。早熟系ではなく、成長力が身上。また、力馬タイプというより、スピード系のダート巧者を送るから、今週の湿ったダートコンディションもプラス材料に近い。前回はスタートが悪くインで下がってしまったのが敗因だが、幸い今回は外枠。まして多頭数でもないからスタートに神経質になることもない。どちらかといえば「右回り」向きでもある。

 当然、強敵は前出の4歳馬2頭。休み明けのニホンピロアワーズはポン駆けOK。今週の動きなら、[4-2-2-0]と底をみせていない素質で逆転もある。2連勝の上がり馬マイネルオベリスク(父アグネスデジタル)はもともと中山巧者。こちらもまだ底をみせない。押さえればサイモンナターレ、フォーティファイド、インフィニティだが、3連単の3着までか。中で人気を考えると、まだ大きく変わる可能性を秘めるフォーティファイド(母ファストフレンド)に捨てがたい魅力がある。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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