2011年06月23日(木) 12:00
道を行うのには三段階あり、知るところから好むところに進み、更に、楽しむところまで進まなければならないという思想がある。
この考え方でいくと、道を知っているだけの者は、好む者には及ばず、好む者は、楽しむ者には及ばないことになる。
さて、これを競馬に置き換えてみると、さらに味わい深い。
競馬歴なん十年ともなれば、この段階にもうひとつ加えねばならないだろう。打たれ強いという項目だ。競馬は果たして楽しむだけのものなのか。そうだ、と言ってしまえばそれだけでいいのだが、そんなに簡単ではないだろう。競馬という道は、ある時は甘く優しい面を見せるが、ある時は、辛いジレンマという試練を押しつけてくる。いく度となくこの試練をのりこえなければ、とても楽しむという境地には到達しない。つまり、打たれ強い者でないと、ということだ。
競馬がそんなに難しい道とは思えない者もいるだろう。打たれ強くなる前に、勝ち負けには淡泊で、瞬時に結果を受け入れて次の夢へと気持ちを切り換えられる者、それも楽しむ境地にあるといえそうだ。
いずれにせよ、競馬を知るところから始まって、それを好きにならないことには、その先はない。この、好きになるというところに鍵がある。
もし、競馬仲間を増やしたいと思ったら、この好きになれるキッカケをどうやってつくるかだろう。この時期、2歳戦がスタートしている。丁度いい。2009年産まれの若駒たちをキッカケにすればいい。まず、その馬がどういう馬かを知るところから始めよう。
父は、母は、どういう血統かを。そして馬を見て、自分の印象をしっかり頭に刻み、どんな走りかを確認してと、やることはいくらでもある。そのどれかが記憶されれば、それこそ好きになるキッカケとなる。そして、その先に自分らしさを見出せたら。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。