船橋S

2011年06月24日(金) 18:00 8

 もっとも難解なレースが多い1600万条件。ましてハンデ戦。幸い雨の影響を受ける心配はほとんどなさそうだが、中山の「芝コース」で勝った記録があるのはたった「3頭」だけ。オープンからクラス移動してきた4歳馬が3頭いるものの、ハンデは必然的に重いうえ、この3頭は中山で勝ち星のある3頭とは重なっていない。難しい結果が導き出されそうである。

 5歳牝馬レジェトウショウ(父キングヘイロー)から入りたい。この1600万条件に上がって以降、京都に遠征した3走前を別にすると、3戦は「0秒3差、0秒1差、0秒4差」。あとワンパンチ足りないのは確かだが、ここ2戦は東京の「1400m」。悪いことに大外18番、16番を引いていたから、外からかかり気味に先行し、最後の1ハロンで伸びを欠いての善戦止まりだった点に注目したい。

 祖母サマンサトウショウ、いとこにスイープトウショウ(2005年の宝塚記念勝ち馬)をもつこの馬、2歳秋の新馬戦(京都)でいきなり競走中止。そのあと1年以上も休んで九州公営の荒尾で4戦2勝。4歳夏からJRAにもどったが、転厩、放牧などがあって、やっとまともな状態で出走できたのは昨年10月の中山だった。

 500万条件で16頭立て13番人気、単勝252倍も仕方がない。ところが、大外を回ってグングン進出。上がり33秒9で一気に差し切ってしまった。さすが、血筋を感じさせるスピード能力と鋭い切れである。勝ち時計の1分08秒2は平凡に映るが、前日の1000万特別の接戦が1分07秒9だから、実は500万下とすれば上々。たちまち1000万下を勝って(7番人気)、ほとんど無名のままこのクラス入りしている。そのあとは前述の成績だが、今度は大駆けした10月と、4走前に格上がりで3着と好走したと同じ「中山1200m」。

 ここ2戦の大外枠から一転、内の3番を引いたのも、連続してかかり気味に進出していたから、プラス材料と考えたい。デキはいい。スイープトウショウ一族らしい古馬になっての本格化に期待する。時計はまだまだ短縮できる。

 再三、直線で前が詰まって中山1200mで脚を余してきたサクラミモザ(大外だからイン狙いはないと思える)、2走前の1分07秒7が光るアイアムマリリンが本線。そのあとにハンデ頭のツルマルジュピター。次いでエーシンリジル、マヤノロシュニと、人気薄の伏兵ではミスクリアモンを押さえたい。

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

新着コラム

コラムを探す