2011年07月01日(金) 18:00 5
中山の「中山グランドジャンプ」は、父ゴーカイ(その父ジャッジアンジェルーチ)に続いて,オープンガーデンに父子ジャンプGI制覇がかかるなど見応えは十分だが、メンバーがメンバーだけに馬券の食指は動かない。
函館ダートのオープン戦「大沼S」に注目。ハンデ戦で58.5kgの背負い頭。ほとんどのライバルが小回りのダート1700に良績があるのに対し、テスタマッタ(父タピット)は、初コース、初距離。人気の中心だけに嫌う手もあるが、小回りのダート1700mこそ、実は理想の距離ではないかの見方をしたい。
テスタマッタがダート巧者として頭角を現したのは、3歳春の東京ダート1400m。7番人気で、その時テン乗りになった四位騎手も半信半疑だったように思えたが、出負けしてほぼ最後方から直線一気。上がり34秒8。勝ち時計はなんと1分22秒8だった。初の古馬相手だった続く阪神ダート1200mも直線大外強襲。上がりは34秒4である。3連勝で大井の「ジャパンダートダービー2000m」も制しているが、本質はマイラータイプだろう。父タピット(その父はA.P.インディ直仔のプルピット)は、人気のケンタッキーダービーは沈んだが、9FのG1と8.5FのG3を制したスピード系で、代表産駒のスターダムバウンドも2009年のBCジュベナイルフィリーズ勝ち馬。ピッチ走法にも近いテスタマッタも、2000m級のレースより今回の1700m前後のほうがはるかに合っていると思える。ダート1600mには1分35秒3(フェブラリーSでエスポワールシチーの2着)がある。
相手本線は、上がり馬メダリアビート。こちらはアメリカ産馬らしく、小回りダート1700mに1分43秒8の勝ち時計がある。次いで立ち直りつつあるオーロマイスター。穴馬には調教の動きが目立ったピースオブパワーを入れたい。函館なら…のエーシンモアオバーと、タカオセンチュリーは今回は押さえ。
柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。