2011年07月14日(木) 18:00
梅雨もあけて猛暑、ですね。先週、京都競馬場の路面温度が50度あったとか…。これだけの暑さに馬もシンドイでしょ? と松田博師と雑談。
「とはいえ、体を冷やしすぎてもどうかと思う。うちの厩舎では朝の調教時間中は扇風機を当てさせるが、従業員が帰るときは全部止めさせるようにしているよ。風に当たりすぎても具合が悪くなるからな。調教は早朝の涼しい時間帯に行うけれど、馬がレースを走るのは日中の暑い盛り。だから、その暑さに馬が慣れるように出走するのと同じ時間帯に馬を外に出したりする。そうすることで、いきなりの暑さにバテる可能性も低くなるからね」
なるほど。馬が自発的に空調を操作したりはできないから、人間がマメに気遣って調整してあげる必要があるということです。それでも中にはバテてしまう馬もいるだろうけれど、馬たちも無事この暑い夏を乗り切って欲しいものです。
さて、スタート地点からゴール地点を見据えると陽炎が見える、というほど暑い新潟競馬の開幕ですよ。アイビスSDに出走予定のヘッドライナーは暑さに負けず元気いっぱいです。
「使いこむとイライラするタイプなので短期放牧をはさんでの出走になります。引き続き順調。今回は58キロ。前走から0.5キロ増だけど、テレビ愛知オープンで59キロで勝っているからね。斤量は大丈夫でしょう。」(西園師)
では、今回の課題はやはり新潟の直線コースでしょうか。先行馬だけに目標にされます。
「いや、でも自分の競馬をして自分の力を出して欲しいと思います。暑い夏だけれど、状態もいいことだし、電撃の5ハロンを熱く逃げ切って欲しいね」と自信の出走、という感じでした。
続いて、6月16日にレポートしたビキニブロンドの近況を。あれから約1ヶ月たちましたが、ゲート練習中心の調教メニューをこなしています。実はすでに1回、ゲート試験を受けているビキニブロンド。しかし結果は…残念、落ちてしまいました。ゲート試験は2回発馬機から馬をスタートさせ、枠場の中での落ち着きやスタートダッシュなどを発走委員が採点し、合否が決定します。
「1回目はゲートの入りも出もよかった。でも、2回目はなぜか…ガンとしてゲートの中に入ろうとしなかったんだ。だから不合格(苦笑)」と担当の佐藤助手。
母親のモンローブロンドも佐藤助手が担当していましたが、こちらもゲートではなかなか苦労したそうで、これは母譲りの性癖なのかもしれません。
「モンローブロンドはゲート試験を合格するまで1か月かけた。少しでも嫌がる素振りを見せたら、馬が嫌気を持たないうちに引き上げるなどして徐々に慣れさせたんだ。そうしないとキーッと我の強いところを出して手に負えなくなるから。お母さんもおばさんたち(ルミナスポイント、ヴァイスハイト)もそうだけど、とにかく性格が頑固で女っぽい。いちどヘソを曲げたら意地でも譲らない、みたいなところがある。それに比べるとビキニブロンドはまだ子供っぽい分、こちらがなだめてあげればいうことをきくよ。」(佐藤助手)
ということで、なだめすかされ、練習では今のところゲートを嫌がる素振りを見せなくなりました。ということで、二度目のゲート試験へのチャレンジが決定。明日、15日の予定。ゲート試験さえクリアしてしまえば、母モンローブロンドと同じく小倉デビューも可能です。
「向かっていくタイプの気性なので芝の短いところが合うね。お母さんのようにクラシック路線に乗ってくれるといいな」(佐藤助手)
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花岡貴子
デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)