関越S

2011年08月05日(金) 18:00

 オープンクラスではない馬も3頭含まれての「13頭立て」。2カ月間の夏の新潟シリーズでは、古馬オープンの中距離ダートはこのレースだけ。したがって、ここが狙いの一戦という馬もいないわけではないが、各馬のローテーションから推測するに、最初から夏のこのオープン特別が目標という馬は少ない。もっとも良積があるのは、昨年の「レパードS(今年から格付けがついてGIII)」を勝っている4歳牝馬ミラクルレジェンドと、このコースのダート1800mで3勝もしているウインペンタゴンだが、ハンデ戦。波乱の可能性(危険性)は十分すぎるほどある。

 初コースだが、左回りダート[2-1-1-2]の6歳馬タマモクリエイト(父カリズマティック)を狙いたい。前回の東京ダート1600m(初のマイル戦)は重馬場の高速レース。気合をつけながら位置を取りに出たため、どちらかというと平均ペース型のこの馬にとり、自身の1000m通過「58秒8」はかなりきつかった。勝ち時計も1分35秒0と速くなったからいいところなく10着だが、それ以外の左回りダートは、1400〜2100mで「1、1、4、3、2着」。明らかに右回りより合っている。中でももっとも着順の悪い4着は,これは昨秋のオープン特別「ブラジルC」2100m。

 今回も対戦する人気のインバルコ(父フサイチペガサス)が、56kgのハンデで「2分10秒9」でインから抜けて勝ったレースだが、今回と同じ53kgのタマモクリエイトは中団からインバルコを上回る上がり「35秒9」で伸び、勝ち馬との差はわずか「0秒2」しかなかった。今回のインバルコとの斤量差は5kg。逆転があって不思議ない。

 安定して走らないため、いつも評価が低く、スピード不足のように思われるが、ダート1800mには「1分50秒台」が計4回もあり、最高は1分50秒2。このメンバーではベスト3に入る。大庭騎手とは[0-1-1-2]。手も合う。この頭数なら馬群もさばきやすく、大庭騎手らしくインにもぐり込んで伸びる手も使える。

 ミラクルレジェンドは小柄な牝馬ながら、公営の大井、船橋、川崎でも交流重賞で快走してきたパワーは一枚上。もちろんインバルコ、コース巧者ウインペンタゴンのほか、人気薄の伏兵から入るのだから、ナニハトモアレ、トーセンアレス、サクラロミオあたりまで、相手は手広くいきたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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