2011年08月18日(木) 18:00
あの末脚をもう一度! 18日、ダービー2着のウインバリアシオンが栗東トレセンへ帰厩しました。牧場では540キロあったという話を聞いていたので、どんな体なのだろう? と興味しんしんで迎えたところ…。脚長のスタイルはそのまま。先週、北海道から山元トレセンとノーザンファームしがらきを経由して戻ってきましたが、輸送で20キロ絞れたそうで520キロとのことでした。
「大きくなった。背がのびたね」
久方ぶりの愛馬との再会。調教パートナーの中山助手は目を細めていました。いつも厩舎では大人しいバリアシオンですが、この日はトレセンという戦いの場に戻ってきたせいか若干エキサイト気味。何かにつけ、大きなリアクションをとるバリアシオンに「わかった、わかった」と竹邑厩務員は淡々となだめていました。
ウインバリアシオンといえば、何より気になるのがツメの状態でしょう。
「いい馬は皮膚が薄い。と、同時にツメも薄い」(中山助手)
それゆえに裂蹄を起こしやすいというジレンマに陥りがちです。実際、春前にウインバリアシオンがレースで力を出し切れなかった影響のひとつは裂蹄でした。ダービーの頃も決して楽観視できる状態ではありませんでした。現在は…幸いあともう少しでツメがきれいに揃うまで整っています。このまま無事にもってくれるのを願うのみです。
「菊花賞の前に一戦し、しっかり息を整えて本番に挑みたいですね」(中山助手)
2008年ジャパンカップダート2着馬・メイショウトウコンが元気です。脚部不安のため、2009年暮れの名古屋グランプリを最後に戦列を離れていましたが、ようやく7月中旬に帰厩。大事をとり、坂路コース中心に15-15程度の調教を進めてきましたが、先週末から徐々にピッチをあげ坂路2本の調教を再開。17日には同じく坂路で57.2-41.5-27.4-13.7の時計を出しました。馬なりで久しぶりの本格的な追い切り時計を出したトウコンですが、すこぶる元気いっぱいです。
「追い切り後の息づかいもひじょうによく、ブランクをあまり感じさせませんよ」と担当の東助手は満面の笑み。
そう、メイショウトウコンはすでに9歳なんですね。そんな年齢を感じさせないほど毛ヅヤはいいし、表情はいまだに少年のままです。
「この首の太さはさすがGI2着馬。注意していてもグイッと持っていかれそうになるので油断できませんよ」(東助手)
トモの踏み込みの深さも健在。このまま順調にいけば、目標レースの日本テレビ盃(JpnII・9月23日船橋)へ駒を進められそうです。
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花岡貴子
デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)